談話室

▼▽真夏の太陽がまぶしかった。70年前の8月15日、長井の今泉駅前。18歳の宮脇俊三が降り立つと、広場中央の机の上にはラジオがあった。黙々と人が集まる。紀行作家になってから「時刻表昭和史」で振り返っている。

▼▽大石田で炭鉱調査した父に同行し新潟の疎開先に戻る途中。正午、玉音放送が始まった。「雑音がひどいうえにレコードの針の音がザアザアしていて、聞きとりにくかった」。けれども「忍ヒ難キヲ忍ヒ」といった言葉は伝わった。人々は黙ったまま棒のように立っていた。

▼▽宮内庁が1日付で、玉音放送原盤レコードの音声を公開した。「これまでに放送された複製に比べテンポが速く、声が明瞭。抑揚も昭和天皇の肉声により近い」と本紙。同庁のホームページにアクセスして聞いてみると、針音は残っているものの確かにクリアな感じがする。

▼▽戦後70年の今、国民に知ってほしかった-と同庁。天皇陛下も6月末、姿勢を正し、4分30秒の新音声に静かに耳を傾けられたという。いつまでも記憶に留(とど)めておかねばならない歴史の節目。宮脇にとっての「目まいがするような真夏の蟬(せみ)しぐれの正午」がまたやって来る。

(2015/08/02付)
最新7日分を掲載します。
  • 8月2日
  • ▼▽真夏の太陽がまぶしかった。70年前の8月15日、長井の今泉駅前。18歳の宮脇俊三が降り立つと、広場中央の机の上にはラジオがあった。黙々と人が集まる。紀行作家になってから「時刻表昭和史」で振り返っている。[全文を読む]

  • 8月1日
  • ▼▽政治家の言葉が軽い。また失言だ。礒崎陽輔首相補佐官が安全保障関連法案について「法的安定性は関係ない」と発言。礒崎氏は3日、法案を審議する参院特別委に参考人招致されるが、与党からも辞任論が浮上した。 [全文を読む]

  • 7月31日
  • ▼▽今から三十数年前、JR仙山線の車内で少女漫画を読んでいたら、鉢合わせした知人に不思議そうな顔をされたことがある。男が手にしている情景はまだ珍しかったかも。映画「海街diary」を見て、思い出した。 [全文を読む]

  • 7月30日
  • ▼▽先輩に誘われ昼食をと外に出て、アッツイ!! 真夏の太陽なんだから詮無いことと諦めもつくが、カッと頭に降り注ぐ日光が脳みその芯まで溶かしそう。夏は日向(なた)を行け冬は日陰を行け―と聞くが、いささか辛(つら)かった。 [全文を読む]

  • 7月29日
  • ▼▽船頭多くして船、山に上る―の故事がある。指図する人ばかり多くて統率がとれず物事があらぬ方に進んでしまう。建設計画が白紙に戻った新国立競技場の問題。何人も関わりながら、統括責任者は不在だったようだ。 [全文を読む]

  • 7月28日
  • ▼▽東北南部が梅雨明けしたおとといの午後、庄内から山形方面に向かう月山道路は混雑していた。夏休みに入って初の日曜日。行楽帰りも多かったのだろう。前を走る車の後ろの窓越しに子供たちと水中メガネが見えた。[全文を読む]

  • 7月27日
  • ▼▽「電信隊浄水池女子大学刑務所射撃場塹壕赤羽の鉄橋隅田川品川湾」。86年前、初飛行を経験した上山市出身の歌人斎藤茂吉は、空からの東京を歌にした。目に飛び込んでくる圧倒的な情報が、漢字の羅列に繋(つな)がった。 [全文を読む]

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