談話室

▼▽職場にノーベル賞の博士から電話がかかってきたら誰だって驚く。本人なのか疑っても無理はない。加茂水族館(鶴岡市)で2008年、当時の村上龍男館長もそうだった。「ご本人でしょうか?」。電話口で尋ねた。

▼▽「そうですよ」。静かで穏やかな声がした。「下村脩(おさむ)博士が加茂水族館の一日館長になった日」という本の中で回顧している。村上館長が米国に送った手紙に応えてよこした電話だった。発光しないオワンクラゲを光らせる“秘策”を授けてくれ、2年後の来県につながる。

▼▽博士が来県した折には妻明美さんが同行した。米国の海岸で多数のオワンクラゲを採集した際には家族総出で手伝った。子供2人が成長してからは妻が研究室で助手を務めた。陰に内助の功、家族の協力を感じる。それにしてもノーベル賞博士とのなかなか得難い縁である。

▼▽「これ以上ない、大きな支えになった」。同書のあとがきに村上さんは綴(つづ)っている。「加茂水族館の歴史が続く限りいつも『守護神』のように見守ってくれるに違いない」。博士は旅立ったが、加茂水族館の再生の物語を一緒に紡いでくれた足跡は歴史と記憶に刻まれよう。

(2018/10/23付)
最新7日分を掲載します。
  • 10月23日
  • ▼▽職場にノーベル賞の博士から電話がかかってきたら誰だって驚く。本人なのか疑っても無理はない。加茂水族館(鶴岡市)で2008年、当時の村上龍男館長もそうだった。「ご本人でしょうか?」。電話口で尋ねた。 [全文を読む]

  • 10月22日
  • ▼▽県内各地の河川で鮭(さけ)の遡(そ)上(じょう)が続いている。寒河江川では釣りの楽しみを兼ねて遡上を調べる鮭有効利用釣獲調査が行われており、先週末も多くの参加者で賑(にぎ)わった。釣れた鮭はふ化放流事業などに利用されている。[全文を読む]

  • 10月21日
  • ▼▽「起重機」の異名を持つ元大相撲力士の明武谷(みょうぶだに)は1メートル89センチの長身を生かし、つり出しには定評があった。昭和30年代に活躍し、ソップ型の代表格。彫りの深い顔立ちと8頭身のスマートな体付きで女性の人気を集めた。[全文を読む]

  • 10月20日
  • ▼▽「山形市の七日町通り周辺に300席程度の劇場が造れないかと、本気になって考えています」。15年前のことになる。元日向け本紙特別紙面のための対談中、劇作家井上ひさしさん(川西町出身)が突然切り出した。[全文を読む]

  • 10月19日
  • ▼▽徳川家康の居城として有名な駿府城跡(静岡市)から豊臣秀吉が配下に築かせた別の城の遺構が見つかった。史料がなく「幻の城」とされてきた豊臣方駿府城と確認できた根拠は金箔(きんぱく)を施した瓦と石垣の積み方だった。[全文を読む]

  • 10月18日
  • ▼▽人をだます事件は昨今珍しくないが、中にはドラマのような例もある。大正時代に断絶した宮家を名乗ってちゃっかり結婚披露宴を開き、多額の祝儀をだまし取った有栖川宮(ありすがわのみや)詐欺事件もその一つ。2003年に起きた。 [全文を読む]

  • 10月17日
  • ▼▽引き戸を開けて大きな声で来店を告げるのが慣習だった。「買ーうー」。白髪をひっつめにしたばあちゃんが奥から出てくるまでには時間がある。その間に考える。何を買おう。昭和の一銭店(駄菓子屋)の思い出だ。 [全文を読む]

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