談話室

▼▽がんの告知はないままの入院だったが、死期が迫るのを悟る。生活綴方(つづりかた)教育運動の推進者で児童文学者の国分一太郎さん(東根市出身)は退院後に「小学教師たちの有罪 回想・生活綴方事件」の執筆に取り掛かった。

▼▽1940年代、運動に取り組む全国各地の教師が治安維持法違反容疑で摘発され、裁判で有罪になった。回想記はその全容と特高警察のでっちあげ捜査、国家権力による思想弾圧のからくりを浮かび上がらせる。刊行から5カ月後、85年2月に国分さんは生涯の幕を閉じた。

▼▽無辜(むこ)の教師たちの内心を土足で踏み躙(にじ)り、学校現場から追い払った官憲に向ける冷厳なまなざし。「真実を書き遺(のこ)したいという執念がにじみ出ている」。その生きざまと最期を作家の柳田邦男さんは「遺言としての真実の記録」として自著「新・がん50人の勇気」に記した。

▼▽組織犯罪処罰法改正案は与党が採決に踏み切り衆院を通過した。改正案は犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する。内心の自由は脅かされないか、恣意(しい)的な捜査への懸念も残る。時代の空気が尖(とが)る中で先達の警句が重みを増す。

(2017/05/24付)
最新7日分を掲載します。
  • 5月24日
  • ▼▽がんの告知はないままの入院だったが、死期が迫るのを悟る。生活綴方(つづりかた)教育運動の推進者で児童文学者の国分一太郎さん(東根市出身)は退院後に「小学教師たちの有罪 回想・生活綴方事件」の執筆に取り掛かった。[全文を読む]

  • 5月23日
  • ▼▽脚本家の向田邦子さんに昭和14年頃、小学4年当時の思い出を綴(つづ)ったエッセー「ゆでたまご」がある。足が不自由で勉強が苦手、暮らし向きが楽でなさそうな同級の女子「I」にまつわる逸話。脳裏に刻まれた光景だ。 [全文を読む]

  • 5月22日
  • ▼▽秘密情報部員が敵国で活動する際には、偽の経歴を細部まで練り上げてから潜入する。エジプトで伝説的成功を収めたウォルフガング・ロッツの場合は「ナチス軍の元将校で、馬の飼育を趣味とする裕福なドイツ人」。 [全文を読む]

  • 5月21日
  • ▼▽清々(すがすが)しい青空に気温はぐんぐん上がり、運動会のにぎやかな声がグラウンドに響いていた。「五月晴(さつきば)れ」。本来は旧暦5月の梅雨の晴れ間を指した言葉だが、今では昨日のような新暦5月の快晴の空にも使われている。 [全文を読む]

  • 5月20日
  • ▼▽残ったスープを眺め丼を置く。しばし考え、両隣の客と店主の隙をうかがってもう一口飲み、思い惑った末に全部啜(すす)り込む-。漫画家でエッセイストの東海林さだおさんはラーメンを食すたび「スープの問題」に悩む。[全文を読む]

  • 5月19日
  • ▼▽1994年5月19日に64歳で世を去った彼女だが、多くの人は夫が凶弾に倒れた歴史的映像を思い浮かべるだろう。ジョン・F・ケネディ第35代米大統領の妻。鮮やかなピンクのスーツ姿で映ったジャクリーン夫人だ。[全文を読む]

  • 5月18日
  • ▼▽明治末期、28歳で夭折(ようせつ)した画家青木繁の「わだつみのいろこの宮」は「古事記」を基にした傑作だ。「海幸彦(うみさちひこ)と山幸彦(やまさちひこ)」として広く知られる話。兄から借りた釣り針をなくしてしまった山幸彦が、海中の宮殿を訪ねる。 [全文を読む]

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