談話室

▼▽春の陽気を通り越して早くも夏が来たようだ。15日の県内は高気圧に覆われて気温が上昇。鶴岡市では30.2度を観測し、今年初の真夏日となった。ここまで暑くなれば、車の運転中に冷房を使用した方も多いと思う。

▼▽黒色が多用される車内は真夏、乗車時にドアを開けることもためらう。この問題解決を目指す「冷たい黒」という塗料をご存じだろうか。言い換えれば「熱くなりにくい黒」。熱流体工学を専門とする江目(ごうのめ)宏樹山形大准教授(37)が開発した。実用化に向け検討を重ねている。

▼▽通常の黒は、太陽の光を全て吸収するために熱を帯びる。一方、冷たい黒はエネルギーの半分以上を占める「近赤外光」を吸収せずに反射させて、温度上昇を防ぐ。太陽光下の実験では、通常の黒に比べた温度が10度以上低かった。車や住宅の冷房効率の向上が期待できる。

▼▽生まれも育ちも山形市の江目准教授は学生時代、環境問題に興味を持って熱の研究を志したという。「温暖化は非常に喫緊であまりに壮大な問題だが、解決の一助になれるように開発を続ける」と頼もしい。新進気鋭の研究者が冷たい黒色で描く、明るい未来に期待したい。

(2024/04/16付)
[PR]
[PR]
最新7日分を掲載します。
  • 4月16日
  • ▼▽春の陽気を通り越して早くも夏が来たようだ。15日の県内は高気圧に覆われて気温が上昇。鶴岡市では30.2度を観測し、今年初の真夏日となった。ここまで暑くなれば、車の運転中に冷房を使用した方も多いと思う。 [全文を読む]

  • 4月14日
  • ▼▽このところの陽気で植物の成長曲線が急上昇しているようだ。野辺では、少し前までまばらな点に過ぎなかった緑が日に日に勢力を拡大している。先日、いい頃合いだと家人に誘われ、親子してヨモギ摘みに出かけた。 [全文を読む]

  • 4月13日
  • ▼▽シャリは本県産の「つや姫」、ネタも地物のフグなどの鮮魚。酒田北港に寄港した外航クルーズ船ル・ソレアルの船内で、自慢の味が振る舞われた。乗客の評判も上々で、用意したすし250食を全て平らげたという。 [全文を読む]

  • 4月12日
  • ▼▽米国が歴史上外国から受け取ったギフトの中で、ニューヨークの自由の女神と並んで最も重要なものと持ち上げられた。首都ワシントンの桜である。1912年、当時の東京市から友好の印に贈られた苗木が根付いた。 [全文を読む]

  • 4月11日
  • ▼▽桜の開花宣言があった日の夜、会社を抜け出して山形市の霞城公園に急いだ。花の見頃には早いから人影は少ないが、夕闇の遠くにステンドグラスの明かりが見える。午後7時の最終入館に、何とか間に合ったようだ。 [全文を読む]

  • 4月10日
  • ▼▽県内の多くの小学校で入学式が行われ、新学期がスタートしている。通学する児童の列に交じる蛍光イエローのランドセルカバーは新1年生の印。短い歩幅で上級生の後を追う姿を見るにつけ、登下校時の安全を願う。 [全文を読む]

  • 4月9日
  • ▼▽高級ウイスキーとはいえ1本36万円の時代が来てしまった。サントリーの「山崎25年」(700ミリリットル)は4月から20万円の値上げ。生産量が限られた「幻のボトル」ではあるが、見つけたとしても、まず手が届かない。 [全文を読む]

[PR]