【海坂藩の風景】蟬しぐれ 羽黒山の表参道杉並木・鶴岡

2017年08月03日
国宝の羽黒山五重塔
国宝の羽黒山五重塔
 主人公の少年・牧文四郎が険しい表情で、石段を登っていく。海坂藩のお世継ぎを巡る争いに巻き込まれ、龍興寺に捕らえられた父と面会するためだ。正式な処分はまだ決まっていない。「切腹」を言い渡される可能性があった。警護に用件を伝えると、足早に歩を進める。カメラが映し出す杉並木は美しいが、長く、そして急な石段は、文四郎を待ち受ける過酷な運命を暗示しているようだ。

 このシーンは、鶴岡市の羽黒山の杉並木で撮影された。随神門から山頂に続く参道は、全長約1.7キロ、石段は2446段。杉の樹齢は300~600年で、国の特別天然記念物に指定されている。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで「わざわざ旅行する価値がある」という最高評価の「三つ星」も受けた。

 出羽三山神社企画弘報室長で禰宜の吉住登志喜さんによると、近年は海外からの旅行客も増えており「あまり人の手が加えられていない『日本の原風景』を感じられる場所として、関心を持っていただいているようだ」と語る。映画「蝉しぐれ」に出演したある女優は「羽黒山のファンになり、毎年参拝されている」という。

牧文四郎が捕らわれた父に会いに行くシーンが撮影された羽黒山の表参道杉並木の「一の坂」=鶴岡市(イラストは場面のイメージ)
牧文四郎が捕らわれた父に会いに行くシーンが撮影された羽黒山の表参道杉並木の「一の坂」=鶴岡市(イラストは場面のイメージ)
 ロケポイントは「三の坂」まであるうちの「一の坂」。随神門をくぐると目の前に緑がまぶしい杉並木が広がる。10~15分ほどの距離だが、直前に別のロケ地を探して山中を歩いたためか、脚は既にガクガク。セミの鳴き声と、滝の音を聞きながら、国宝羽黒山五重塔を過ぎ、一の坂に着く頃には「しぐれ」どころではなく汗が吹き出していた。(報道部・鈴木悟)

 【蝉しぐれ】
 ▽監督=黒土三男
 ▽出演=市川染五郎、木村佳乃、緒形拳(2005年)

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