【海坂藩の風景】小川の辺 不動沢・山形

2017年08月31日
妹の夫を討つために山越えをする主人公の戌井朔之助と、奉公人の新蔵がひと休みするシーンが撮影された不動沢=山形市上宝沢(イラストは場面のイメージ)
妹の夫を討つために山越えをする主人公の戌井朔之助と、奉公人の新蔵がひと休みするシーンが撮影された不動沢=山形市上宝沢(イラストは場面のイメージ)
 渓流が大小の岩に沿っていくつかの筋に分かれ、白い水しぶきを上げている。主人公の戌井朔之助(いぬいさくのすけ)(東山紀之)は両手で水をすくうと口をすすいだ。傍らに立つ奉公人の新蔵(勝地涼)が手拭いを渡す。ひと息つき、「これからいい季節になるなあ」と空を見上げる朔之助。笠をかぶり、歩き始める。2人は妹田鶴(たず)(菊地凛子)の夫・佐久間森衛(もりえ)(片岡愛之助)を討つために海坂から行徳(千葉)に向かう途中だった。

 このシーンは山形市上宝沢の不動沢で撮影された。原作の同名短編小説では、2人が海坂の城下町を出てから、森衛と田鶴の潜伏先を見つけるまでの道中は詳しく描写されていない。一方、映画は不動沢をはじめ県内各地の風景を映し出し、旅の厳しさや自然の美しさ、壮大さを伝えている。

 8月下旬、東沢小から蔵王ダム方面に車を走らせた。民家が途切れた先に「不動沢水源林」と「不動滝コース」の看板が見えてきた。そこから右手の林道に入り、100メートルほど進むと左手にロケ地となった渓流がある。足元が悪く役者と同じ岩に立つことは諦めた。映画の撮影時は、岸辺から橋を架けて渡らせたのだという。顔を上げると、久しぶりの太陽が雲間からのぞいていた。濃緑の山あいに、せせらぎとセミの最後の合唱が響いていた。
(報道部・鈴木悟)

写真の不動沢水源林の看板を目印に林道に入る。100メートルほど進むと、左手にロケ地となった沢が見えてくる。林道は狭いので車の運転には注意が必要だ
写真の不動沢水源林の看板を目印に林道に入る。100メートルほど進むと、左手にロケ地となった沢が見えてくる。林道は狭いので車の運転には注意が必要だ
 【小川の辺】
 ▽監督=篠原哲雄
 ▽出演=東山紀之、菊地凛子、勝地涼(2011年)

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