【海坂藩の風景】小川の辺 柏倉九左エ門家・中山

2017年09月28日
戌井朔之助が水をかぶった井戸。周囲の景観にすっかりなじんでいる=中山町岡(イラストは場面のイメージ)
戌井朔之助が水をかぶった井戸。周囲の景観にすっかりなじんでいる=中山町岡(イラストは場面のイメージ)
 江戸時代に建てられた住宅の中で、井戸は元からそこにあるようだった。中山町岡にある県指定有形文化財の柏倉九左エ門家では、「小川の辺(ほとり)」の主人公戌井朔之助(いぬいさくのすけ)(東山紀之)が、妹田鶴(たず)(菊地凛子)の夫で自身の友人でもある佐久間森衛(もりえ)(片岡愛之助)を討つ前夜、井戸の水をかぶって精神を研ぎ澄ます場面が撮影された。

 九左エ門家は江戸時代の大庄屋で、母屋や蔵、庭園を備えた宅地面積はおよそ7600平方メートルに及ぶ。井戸は「小川の辺」の美術スタッフがつくり、撮影前日、邸宅の端にある大工小屋の前に設置した。

 井戸のある風景を面白いと感じた九左エ門家16代当主の柏倉桂子さん(76)が撮影終了後、「もらえるかしら」と尋ねると、スタッフは「あげるあげる」。撮影が終われば壊される運命だった。つるべだけは借り物だからと持って帰った。

 撮影は2010年秋の夕方だった。「水をかぶるんじゃ寒いべな」と俳優を思いやった柏倉さんは、その日、お湯を沸かしておいた。ただ、決戦に向けた「みそぎ」のシーンなので湯気が立ってもおかしい。結局そのお湯を冷まし、ぬるくして使ったという。

歴史を感じさせる門構えの柏倉九左エ門家=中山町岡
歴史を感じさせる門構えの柏倉九左エ門家=中山町岡
 九左エ門家は今年4月、町所有となった。今は施設整備中のため、一般公開していない。

(報道部・大坪千絵)

【小川の辺】
 ▽監督=篠原哲雄
 ▽出演=東山紀之、菊地凛子、片岡愛之助(2011年)

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