小川の辺 寒河江・慈恩寺

2017年11月23日
国の重要文化財に指定されている慈恩寺本堂
国の重要文化財に指定されている慈恩寺本堂
 「小川の辺(ほとり)」で主人公戌井朔之助(いぬいさくのすけ)(東山紀之)は、藩政を批判し脱藩した佐久間森衛(さくまもりえ)(片岡愛之助)を討てという藩命を受ける。妹の夫であるということに加えて、朔之助の心に葛藤を生んだのが、森衛が互いに切磋琢磨(せつさたくま)してきた友だということだろう。

 慈恩寺(寒河江市)は、朔之助らが佐久間の元へ向かう道中、雨宿りに入ったという設定で登場した。本堂の仏像を前に目をつぶった朔之助の頭に浮かぶのは、かつて行われた剣の試合。朔之助と森衛は互角の戦いを繰り広げ、勝負がつかないまま、大雨で試合は中断された。回想する朔之助は友の胸中を思いながら、決闘に向けた心の準備を進めているようにも見える。

 その回想に呼応するように、慈恩寺にも雨が打ち付ける。ただし、この雨は本物の雨ではない。撮影日を含めて好天が続いたため、地元の消防団が放水して対応した。当時、寒河江市商工観光課の職員としてロケに携わり、自身が直前まで所属していた消防団に協力を依頼した猪倉秀行さん(51)=市職員=は「消防の放水と雨では形が違う。『雨らしくなるように』と、放水の位置や角度、ノズルの開き具合などを調整した」と振り返る。

仏像を前に目を閉じた戌井朔之助の頭には佐久間森衛との思い出が巡った=寒河江市・慈恩寺(イラストは場面のイメージ)
仏像を前に目を閉じた戌井朔之助の頭には佐久間森衛との思い出が巡った=寒河江市・慈恩寺(イラストは場面のイメージ)
 物語をつなげる重要な「雨」は地元との連携で生み出された。(報道部・大坪千絵)

 【小川の辺】
 ▽監督=篠原哲雄
 ▽出演=東山紀之、片岡愛之助(2011年)

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