連載企画

月山・夏変化

■雨上がり、浮かぶ山々 <第3日>
2009年07月29日 掲載
月山頂上から見えた朝日連峰の山並み。中央は以東岳=29日午前8時42分
月山頂上から見えた朝日連峰の山並み。中央は以東岳=29日午前8時42分
 一晩中小屋の屋根をたたいていた雨が、明け方になって上がった。

 月山踏破第3日の29日を、一行は頂上小屋で迎えた。空一面を雲が覆っているが、南に朝日連峰、東に葉山、西のふもとには庄内平野、さらに北には鳥海山がうっすらとかすんでいる。

 月山の標高は1984メートル。三角点はやや低い1979.5メートルの地点にあるが、最も高い場所は月山神社本宮北側の岩塊になる。朝食後、一行は最高点まで足を延ばした。

父親から受け継ぎ、月山頂上小屋の管理人をしている芳賀竹志さん
父親から受け継ぎ、月山頂上小屋の管理人をしている芳賀竹志さん
 頂上小屋では、月山ならではの旬の食材を振る舞ってくれる。前日夜のおかずは、頂上周辺に生える高山植物ハクサンボウフウのおひたしに、月山筍(がっさんだけ)やマイタケ、ナラタケ、オオイチョウなどさまざまなキノコをふんだんに使ったなべ。29日の朝食には、ムキタケを中華風に味付けしてシラネニンジンの葉を振りかけた料理と、イタドリのいため物が出た。

 小屋の主人芳賀竹志さん(63)=鶴岡市=が山に入り、これらの山の幸を自ら集めている。独特の食材は、ほかにもある。昔から山伏が食べていたというタカトウ(カラマツソウ)。普通は硬くて食用に向かないが、雪渓の消え際に生えたものは、軟らかくておいしい。「雪の恩恵」と芳賀さん。ただし今年は雪が少なく、全般的に例年より1〜2週間早い傾向だ。

 芳賀さんが生まれた年に開業した小屋を、父から受け継ぎ守ってきた。料理を味わうためだけに、わざわざ小屋を訪れるファンもいるという。

 出発前には、荷物を運搬するヘリコプターが山頂に飛んできた。一行はこの日、大雪城(おおゆきしろ)の雪渓を下り、岩根沢に向かう。

(月山踏破取材班)
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