連載企画

月山・夏変化

■息をのむ一面の雲海 <第5日>
2009年08月01日 掲載
霧が晴れ、月山頂上から雲の間に夕日が見えた。踏破隊もほかの登山客もしばし見とれた=31日午後6時38分
霧が晴れ、月山頂上から雲の間に夕日が見えた。踏破隊もほかの登山客もしばし見とれた=31日午後6時38分
 夕方の月山山頂の景色は、息をのむほどだった。山頂の下は一面の雲海。その上に、朝日連峰と葉山がぽっかり浮かんでいる。内陸から張り出した滝雲が、姥ケ岳から近くの柴灯(さいとう)森にかけて庄内側になだれ下り、渦を巻くのが見える。まさに松尾芭蕉の「雲の峰いくつ崩れて月の山」。雲の下にいる人には、決して味わうことのできない絶景だ。

 月山踏破隊の一行6人は第5日の31日、県立自然博物園(西川町)のネイチャーセンターから歩き始めた。かつて、登拝者のための小屋や祈とう所があった場所。まるで映画の1シーンのような濃い霧の中、ブナ林を歩いて高度を稼ぐ。今回踏破している月山は飯豊、朝日をはじめとする連峰の主稜線(りょうせん)歩きとは異なるため、1日の高低差はなかなかのものだ。この日も、ネイチャーセンターから山頂まで1200メートル近く。連日結構足を動かしているなと感じる原因も、この辺りにあるのだろう。

 石跳沢沿いに施薬避難小屋へ。小屋の中で、ラーメンをゆでて味わった。そこからは急な登り。途中で擦れ違った2人連れに「山新さんですか? うわあ、何かいいことありそう」と声を掛けられた。今回も、夏山ルポが注目されていることを実感する。

月山頂上の標高1984メートル地点に立つ踏破隊。周囲は霧に覆われ見晴らしは良くなかったが、感動がこみ上げた=31日午後4時20分
月山頂上の標高1984メートル地点に立つ踏破隊。周囲は霧に覆われ見晴らしは良くなかったが、感動がこみ上げた=31日午後4時20分
 雲はなかなか晴れないが、時折山並みが浮かび上がる瞬間がある。牛首から先は、最後の急坂。息を切らしながら頂上小屋に到着した。

 山頂を踏むのは今回の踏破で2回目。頂上小屋の主人芳賀竹志さん(63)=鶴岡市=は、前回同様歓待してくれた。かつて山伏たちが食べていたというコケのホソバエイランタイ、タカトウ(カラマツソウ)などが食卓に並ぶ。踏破が終盤を迎えたという安心感もあり、一行の話題はひときわ弾んだ。

(月山踏破取材班)
文字サイズ変更
  • 小
  • 中
  • 大
ふるさとだより
山形新聞「お届け電子版」
Twitterはじめました
ニュース特集
山形新聞から
やましんケータイサイトのアクセス方法はこちらから 朝刊連載小説「三人の二代目」 てれナビのご紹介