連載企画月山・夏変化■広くて深い、多彩な相貌 <最終日>
2009年08月02日 掲載
広大な湿原の所々に池塘(ちとう)がある弥陀ケ原。多くの登山客が散策を楽しむ=1日午前11時10分
仏生池小屋の近くまで駆けつけ、踏破隊を出迎えてくれた県山岳連盟顧問の稲泉真彦さん(右から3人目)。踏破終了後、スイカを振る舞ってくれた=1日午前9時38分
月山には、以前から繰り返し登ってきた。近ごろは、かつての修験の場で普段訪れる人の少ない西普陀落などに足を延ばす。「最近の月山は日帰りの山。山頂に泊まって、朝夕の景色をゆっくり眺めるのもいいのでは」 稲泉さんと一緒に、広大な高層湿原の弥陀ケ原を回った。数え切れないほどの池塘(ちとう)が点在する中、黄色のオゼコウホネが咲いている。氷河期の生き残りで、尾瀬と月山などにしか残っていない貴重な花。無事終点に着いた後は、稲泉さん差し入れのスイカに舌鼓を打った。
氷河時代の生き残りだという貴重な植物「オゼコウホネ」。弥陀ヶ原の池塘で見られる=1日午前11時20分
月山は、本県のほぼ中央に位置する独立峰。山形新聞パーティーがこれまで縦走、踏破してきたのは飯豊、朝日連峰をはじめ県境に位置する山だっただけに、貴重な存在だ。八方七口といわれるように、登拝の道も古来各地から通じる。ただし、登山者からは何となく軽く見られていたような気がする。「日本百名山」の深田久弥も、こう書く。「優しく−それが月山である」 それだけだろうか。今回分かったことがある。月山は実は多彩な相貌(そうぼう)を隠し持っていた。まず、姿形が見る方向で全く異なる。村山地方では半円形のたおやかな姿を見せる一方、尾根筋を長く延ばす庄内では「臥した牛の背のよう」(森敦「月山」)。6日間山に入っているうちに、味わい深い道にも出合った。例えば、山頂までの道のりが17キロと長く、変化に富んだ肘折コースや、大雪渓の大雪城を下って本道寺・岩根沢に向かう荒々しいコース。たとえ、ほかの登山者と擦れ違うことがないとしても。 6日間の山行を通じて、月山に対するイメージが改まった。 月山は広く、深い。 (月山踏破取材班=報道部・鈴木雅史、堀川貴志) 月山・夏変化 記事一覧
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