県内 ご当地味覚

県内 ご当地味覚

「県内 ご当地味覚」では、県内各地に伝わる食材や伝統料理について、その由来と栽培・調理法、味わい、旬の時期などを紹介していきます。

カブのかす汁 野菜も取れて体ぽかぽか

 だし汁に酒かすを溶いた「かす汁」は、厳寒の冬を温かく過ごす昔ながらの人気料理。具材は大根やニンジン、サケなど地域によってさまざまだが、山形市ではシンプルなカブ汁が親しまれている。

 目抜き通りで江戸時代初期から毎年1月10日ににぎやかに開かれる「初市(市神祭り)」。この日にカブ汁を食べる習わしがある。これは商業の神にあやかって大株(かぶ)主になれるようにとの願いが込められており、縁起の良い一品だ。

 カブは包丁の手元の角で、えぐるように「ぶっかく」。表面はでこぼこになるが、面をきれいに切り取ったものに比べて味がしみ込みやすいという。だし汁にカブ、油揚げ、打ち豆を入れ、カブが軟らかくなるまで煮る。だんだん透明になってくるのが目安。長さ3センチほどに切ったカブの葉を加えて火を通したら、みそと酒かすを溶いて味を整える。

 「簡単にでき、体が温まる季節の料理。野菜も取れて健康にもいい。ご家族でどうぞ」と山形市食生活改善推進協議会長の亀谷千代子さん。作り方は山形市保健センターのホームページ「山形の郷土料理集」でも紹介している。アドレスはhttp://www.city.yamagata.yamagata.jp/hoken/kyoudoryouri/

【材料】1人分はカブ100グラム、カブの葉10グラム、打ち豆5グラム、油揚げ8グラム、だし汁150ミリリットル、みそ10グラム、酒かす5グラム。だし汁は、お湯が沸騰したらかつお節を入れて火を止め、かつお節が沈んだら上澄みを取る。油揚げは短冊形に切り、打ち豆は使う前にしばらく水に漬けておく。
2010年02月2日 掲載
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