県内 ご当地味覚

県内 ご当地味覚

「県内 ご当地味覚」では、県内各地に伝わる食材や伝統料理について、その由来と栽培・調理法、味わい、旬の時期などを紹介していきます。

弁慶めし 食欲をそそる香ばしさ

 庄内地域に古くから伝わる「弁慶めし」は青菜漬けで包んだみそおにぎりをあぶった郷土料理。香ばしさが食欲をそそる。

 作り方はシンプルだ。おにぎりを握って表面にみそをまんべんなく付け、茎の部分を切り落とした青菜漬けの葉で包み込む。炭火でじっくりとあぶり、網の上でひっくり返しながら表面に焼き目が付いたら食べごろだ。

 庄内浜文化伝道師マイスターで郷土料理の伝承に取り組む石塚亮さん(57)=鶴岡市三瀬=は「名前の由来は諸説ある」と話す。その中の一つに「青菜漬けでおにぎりを巻いた様子が、けさで顔を覆い隠した武蔵坊弁慶の姿に似ている」という説があるという。

 炊きたてのご飯をおにぎりにし、粗熱がひいてからみそを付けるのが最もおいしいが、家庭では残った冷や飯を温めてから弁慶めしにすることも多い。「小腹が空くと、よく親に作ってもらった」と石塚さん。最近では弁慶めしのおにぎりを販売している大手コンビニエンスストアもあり、昔懐かしい素朴な味が変わらぬ人気を集めている。

材料】1個分はご飯100グラム、みそ10グラム、青菜漬の葉は15センチ四方ほど。みそを付けて青菜漬けを巻いた後にあぶるか、みそおにぎりを一度焼き、さらに青菜漬を巻いてあぶるかは好みによる。
2010年03月16日 掲載
過去の記事一覧
[PR]