県内 ご当地味覚

県内 ご当地味覚

「県内 ご当地味覚」では、県内各地に伝わる食材や伝統料理について、その由来と栽培・調理法、味わい、旬の時期などを紹介していきます。

オカヒジキのからし浸し シャキシャキ、色と食感が命

 シャキシャキとした歯応えが特徴的なオカヒジキの発祥の地は南陽市砂塚地区。もともと庄内浜に自生していた野草だが、江戸時代に最上川舟運で置賜に伝わり、明治期に砂塚の長谷部惣兵衛が品種改良を重ねて栽培技術を確立させたとされる。近年は置賜伝統野菜として生産振興が図られ、南陽市商工会はことしからオカヒジキを使った「新ご当地グルメ」開発事業に着手し、さまざまなレシピを模索している。

オカヒジキのからし浸し
 家庭で最もなじみ深い調理法はからし浸し。湯を沸騰させ、塩をひとつまみ入れた鍋でオカヒジキを十数秒湯通しし、冷まして水気を切ったら、からしを溶いたしょうゆでさっぱりといただく。割烹(かっぽう)調理師会赤湯支部の佐藤幸次支部長は「ゆで過ぎず、一気に氷水で冷やすのが発色を良くするこつ」。食用菊もってのほかなどと合わせると味に変化が出るほか、子ども向けにはマヨネーズもいい。野菜サラダや巻きずし、冷製パスタ、中華つけめん、揚げ物にと応用レシピも幅広い。佐藤支部長は「メーン食材にはならないが何にでも合わせられる。とにかく色と食感が命だね」と付け加えた。

メモ】 南陽市産のオカヒジキは年間約60トン出荷され、近年は山形市に次いで生産量全国2位。3月から11月まで出回るが、露地物の出荷が始まる5~6月が旬。ビタミンAはホウレンソウと同等、カルシウムは3倍と栄養価の高い緑黄色野菜の優等生。
2010年06月15日 掲載
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