県内 ご当地味覚

県内 ご当地味覚

「県内 ご当地味覚」では、県内各地に伝わる食材や伝統料理について、その由来と栽培・調理法、味わい、旬の時期などを紹介していきます。

たんぽ餅 くるみみその深い味わい

 寒い季節に、高畠町二井宿地区で食べられる「たんぽ餅」。戦後、山中で炭焼きを行う職人たちが、昼食に持って行ったおにぎりを温め直すために木の棒に刺して炭で焼いたのが始まりという。現在は表面にくるみみそを塗って焼くのが定番で、甘じょっぱく深みのある味わいが町民に人気。たんぽ餅が振る舞われる地区の祭りには、地区外からも多くの人がその味を求めて訪れる。

たんぽ餅
 まず、くるみみそ作り。クルミをミキサーに掛けペースト状に。みそと砂糖、豆腐、日本酒、みりんもミキサーに掛けてとろみが出るまで混ぜる。くるみペーストと合わせれば、とろりと滴るくるみみそが完成。味をなじませるために一晩寝かせるとよい。

 ご飯を炊いたら、茶わん1杯分ずつをおにぎり状に丸める。割り箸の先など太めの木の棒に刺し、焼いた時落ちないよう空気を抜いて細長い形に固定し、表面にくるみみそを塗る。本来は炭火で焼くが、家庭では手に持ったままこんろの火にかざしてもいい。10分ほどあぶって表面に焼き目が付いたら完成だ。

 同地区でたんぽ餅の継承活動に取り組む女性組織の安藤文子さん(76)は「くるみみそは、酒とみりんだけでとろみが足りなかったら水を適量混ぜて。手間がかかるけど味は逸品だよ」と太鼓判を押す。

【材料】 (10本分)茶わん10杯分のご飯、クルミ50グラム、みそ150グラム、砂糖125グラム、日本酒とみりん各25ミリリットル、豆腐25グラム。

2011年10月25日 掲載
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