県内 ご当地味覚

県内 ご当地味覚

「県内 ご当地味覚」では、県内各地に伝わる食材や伝統料理について、その由来と栽培・調理法、味わい、旬の時期などを紹介していきます。

ぺそら煮 何にでも合う冬の保存食

 尾花沢市などで広く親しまれているぺそら漬。「ぺそら煮」はその名の通り、ぺそら漬をしょうゆや砂糖などで煮込んだ料理で、甘辛い味とべっ甲の鮮やかな色が特徴的な冬の保存食だ。 庄内浜の冬の味覚と言えば「寒ダラ」、そして春になれば「サクラマス」が食卓を飾る。冬と春の間をつなぐ浜の魚として、漁業関係者や庄内の料理人に知られるのが「寒ドコ」。刺し身でも、汁物や煮付けなどにも合う。間もなく春が来ることを感じる食材だ。

ぺそら煮
 調理をお願いしたのは尾花沢市食生活改善推進員の伊藤信子さん(69)=同市延沢。まずはぺそら漬を2晩かけて流水で塩抜きする。塩辛くなってしまうので完全に塩を抜くことが大切。しっかりと水気を抜いた後、見栄えを良くするため、なすのへたを取り酒、しょうゆ、みりん、砂糖を加え、落としぶたをして強火で煮込む。沸騰したら鍋を揺すって全体に汁をなじませる。

 「形が崩れてしまうので、はしなどは使わない方がいい」と伊藤さん。汁が半分になったら中火にし、汁がほぼなくなるまで煮込めば完成だ。

 一口食べると甘さが伝わった後、ぺそら漬特有の辛さが口の中全体に広がる。伊藤さんは「おかず、酒のつまみ、お茶請け何にでも合う。各家庭それぞれの味があるはずなので、ぜひ皆さんに作ってほしい」と話している。

【材料】ぺそら漬2.5キロに対し酒1リットル、しょうゆ30cc、砂糖500グラム、みりん少々。

2012年3月13日 掲載
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