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国会本館付属家(下) 政界大物と知の交流

2015/6/14 12:07
「五車堂書房」の幡場店主。国会の論戦を支えてきた自負がある

 衆院と対をなすように参院にも付属家がある。国会内で唯一の書店「五車堂書房」の幡場益(はたば・すすむ)店主(74)はほぼ半世紀にわたって国会、議員会館、政党本部に本を配達。戦後の日本を築き、現代の繁栄へと導いた大物政治家、政界のキーマンらと知の交流を重ねてきた。

 幡場さんによると、初代の父光男さんが同じ長野県出身の参院事務総長に請われ、1949(昭和24)年に本を出張販売したのが同店の始まり。現在は約60平方メートルの店内に政治、経済、時事問題などの本が並ぶ。常に国会論戦を先取りする品ぞろえを心掛けてきた。

 印象に残る大口の顧客は大平正芳元首相、前尾繁三郎元衆院議長、伊東正義元外相。「三賢人」と称された前尾氏については「赤坂のマンションはまるで書庫のようだった」と回顧する。山形県関係国会議員で最も読書に没頭していたのは近藤鉄雄元労相という。

 「昔は政治家とそのブレーンがあさるように本を読み、国の将来を考えていた。国民のため、若い議員はもっと勉強してほしい」と苦言を呈した。

(東京支社・古頭哲)

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