山形再興

第3部・学生の古里回帰へ 首都圏大学との連携協定(4)

2018年03月30日
神奈川大を昨春卒業し、山形銀行に勤務する長谷川湧太さん。就職活動における情報の大切さを実感している=山形市
神奈川大を昨春卒業し、山形銀行に勤務する長谷川湧太さん。就職活動における情報の大切さを実感している=山形市
 インターネットや会員制交流サイト(SNS)の普及により、日本のどの大学に通っていても、就職に備え、あらゆる企業情報を得られる時代になった。本県と首都圏の大学による学生のUターン、Iターン就職促進に関する協定締結が進む今、それらの大学を卒業して古里に戻り、地域で汗を流している若い世代は、どんな思いで就職活動に臨んだのだろうか。

 「山形に帰って働くことを何となく考えていた」「就職活動をどう始めていいか分からなかった」―。学生に有利な「売り手市場」とはいえ、将来の自分の姿を思い描き、多くが試行錯誤しながら企業を回っていた。

 山形銀行城南支店に勤務する長谷川湧太さん(23)は、県と協定を結ぶ神奈川大の経済学部を卒業した。昨年4月に入行し、慣れ親しんだ山形市内で働いている。就職活動を振り返り、語った。「どんなイベント(企業説明会)があるのか、何をしたらいいのか分からないこともあった」

 山形銀行の長谷川湧太さんがUターン就職を強く意識するようになったのは、大学3年の夏ごろだった。山形市の出身。神奈川大のキャンパスがある横浜市内で学生生活を送り、就職して働く自分の姿を想像した。「山形の方がイメージを描け、生活のペースがつかめると思った」

 同様の思いを口にするのは、同じく山形銀行に昨年4月から勤務する鈴木智美さん(23)=朝日町出身。県と協定を結ぶ専修大の出身で、幼い頃からバスケットボールに打ち込み、現在は同銀行女子バスケットボール部「ライヤーズ」に所属している。就職活動時は首都圏の企業も選択肢にあったが、最終的に生まれ育った本県を選んだ。「山形が好き」という気持ちが上回ったからだ。

 そんな強い思いがいくらあっても、乗り越えなくてはならないハードルがあった。長谷川さんの場合、実際に就職活動に臨もうとしたとき、悩みを相談できる相手が意外と少ないことに気付いた。初めから第1志望は金融だったが、さまざまな企業情報の中から、自分の力で「山形県」に特化した情報を取得するのは難しかった。もちろんインターネットにはあふれるほどの情報が掲載されている。しかし、インターンシップや企業説明会への参加など、ネットの画面上から実行に移すのには抵抗があったという。

 なんとか地元の先輩に連絡して話を聞いたり、学内の進路ファイルでどれくらいの人が地元に帰っているかを調べたりしながら就職活動に挑んだ。本県出身の知り合いは大学内に7人いたが、Uターンしたのは2人だけだった。

 神奈川大と県が協定を結んだのは2016年5月。さまざまな地元就職支援が始まったのは、長谷川さんが就職活動を終えた後だ。現在は本県へのU・Iターン就職相談会などがキャンパス内で開かれている。「山形に関し、どういう(就職相談会などの)企画があるのか、当時知られていなかったと思う。Uターンしようか漠然と考えている人にとって大学側から地元の情報を発信してくれることは大きい。古里に戻るかどうか考えているとき、背中を押してくれるものになると思う」。言葉に力を込めた。
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