山形再興

第4部・地域おこし協力隊の思い (6)最上管内・ユニオン

2018年04月29日
3回目の「Vibeat」を協力して運営し、笑顔を見せる最上地域の地域おこし協力隊員ら=昨年9月、金山町
3回目の「Vibeat」を協力して運営し、笑顔を見せる最上地域の地域おこし協力隊員ら=昨年9月、金山町
 「もがみ地域おこし協力隊union(ユニオン)」。3年前、最上管内の協力隊員たちでつくった組織の名称だ。彼らは市町村の垣根を越えて頻繁に情報交換し、イベント運営などでも協力する。そのチームワークの良さは内外から一目置かれている。

 特に3年前に始めた、音楽と食を楽しむフェスティバルは大勢が詰め掛ける名物イベントに成長している。「ユニオンの仲間から学ぶことは多い」「地域を盛り上げたいと思う“同志”の集まり。支えになっている」とメンバーは口にする。

 管内8市町村には2010年以降、計58人の隊員が赴任し38人が退任した。そのうち19人が管内にとどまっており定住率は50%。近年はさらに伸び、昨年度だけを見ると71%。県内の他エリアに比べ高い比率だ。仲間の輪が広がるユニオンの存在は、彼らに「最上に住み続けたい」と思わせる大きな要素となっている。

 もがみ地域おこし協力隊union(ユニオン)の誕生のきっかけをつくったのは新庄市の元協力隊員で、現在は市内でイタリア料理店を営む渡辺歩さん(36)。2014年に着任し、15人ほどいた周辺町村の隊員にすぐ声を掛けた。「外から来た者同士、つながりを持ちませんか」

 もともと新庄生まれで、「周辺町村も地元」という意識が強かった。「周辺と連携した方が最上地域をより盛り上げられる。意見交換ができ、情報共有ができ、不安や不満もはき出せる場所を設けたい思いもあった」と振り返る。

 市町村の枠にとらわれず、頻繁に交流する中、ごく自然に「ユニオン」は形成され、個々のプロジェクトでも協力し合う関係になる。活動のうわさを聞き付けた域外、県外の隊員とも接点ができ、ネットワークはどんどん広がった。

 アイデアが膨らみ、15年に舟形町で開催したのが音楽と食のフェスティバル「Vibeat(バイビート)」だ。横の連携を生かし、個々の得意分野のスキルが発揮されたユニークなイベントとして評判を呼んだ。趣向を変えながら年1回開催しており、金山町を会場にした昨年は若者や家族連れなど約200人が詰め掛けた。

 昨年からスタッフに加わったのは、同町協力隊員の柴田琢磨さん(28)。ITを活用したまちづくりを研究する毎日だが、バイビートのライブステージではDJを務め、仮想現実(VR)で最上8市町村のビュースポットを疑似体験してもらうコーナーも担当するなど奮闘した。

 「ユニオンの交流で、他市町村の隠れた情報やスポットを知ることもでき、ありがたい」と話し、「住民の意見を上手に吸い上げたり、盛り上げながら大勢の人を動かしたりと、見習いたい人がたくさんいて勉強になる」と続けた。

 ユニオン以外に、県最上総合支庁が年1回開催する「交流者活動情報交換会」も横のつながりの強化に一役買っている。管内の隊員と市町村担当者が活動内容や自治体側のマネジメントの課題を話し合う。全国的に近年は、募集しても隊員が集まりにくい状況となっており、ことしは有効な受け入れ態勢などについて協議するという。

 ユニオンの効果もあって、管内隊員の定住率が比較的高いことをOBの渡辺さんは喜んだものの、「隊員にはあくまで好きなことをやってほしい」と話す。「残るかどうかを決めるのは本人で、プレッシャーはかけたくない。定住を望む人がいたら就業、起業のサポートをしっかりできるようにすることが大切だ」と強調した。(「山形再興」取材班)=第4部おわり
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