2011年03月13日
基盤に接着させる液状のハンダが飛散した現場=12日午前10時36分、飯豊町萩生・マルコンデンソー
大震災から一夜明けた12日、県内の企業や金融機関は、工場の稼働をストップしたり、預金の引き出しに応じる態勢を整えるなど、対応に追われた。県内の広い範囲で停電したことから、製造業や小売業、サービス業、建設業など多くの企業が事業を休止せざるを得ない状況。たまたま土・日曜日と重なったため、当初から休業という会社も多いが、ほぼ電力は復旧したものの、流通機能などが大きく乱れている中で、週明けにすぐ事業を再開できるのか-企業関係者も不安な表情を見せている。
■液状のハンダ飛散
自動車関連部品を製造するマルコンデンソー(飯豊町)では11日の地震で、基盤に接着させる液状のハンダが飛散したほか、トイレの天井が一部はがれ落ちた。
同工場は約200人が勤務している。12日は製造の遅れを調整するための出勤日だったが、余震が収まらないことから、飛散したハンダの除去や製造中の部品にカバーを掛けるなどの応急処置を行い、従業員は早めに帰宅した。同社経営企画部長の安福茂さん(54)は「予定が狂ったが、電気が復旧しないとどうにもならない」と語った。週明けの14日に従業員を集め、今後の方針を伝える予定。
■製造開始に1、2日
豆菓子メーカーの「でん六」(山形市)は、地震のあった11日夕から操業を休止、社員たちを帰宅させた。休業日の12日は一般社員は休みだが一部社員が出社し、設備の点検などを行った。同社担当者によると、これまでのところ製造設備などに影響はないという。ただ、停電のため全て製造装置がストップ。出荷システムも、コンピューターを使った自動管理のため、物流が停止している。電気が復旧してもシステムの安全確認などが必要なため、製造・出荷が始まるまで1、2日はかかる見込み。担当者は「機械が稼働しても、包装材などが不足して一部商品の販売が停止となる恐れもある。影響は大きい」と話していた。
■社員の安否まず確認
建築用外壁材メーカーのアイジー工業(東根市)は、社員の安否確認を最優先した上で、各工場などの被害状況を確認した。山口隆総務部長は「社員約300人の無事は確認でき、まずは安心した。茨城の水戸工場はガラスが割れるなどの被害があったが、寒河江、東根の2工場には目立った損害はなかった。ただ工場内の機器をすべて点検するのに数日はかかり、すぐには製造を再開できない」と話した。
■随時生産ライン稼働
半導体製造のルネサス山形セミコンダクタ(鶴岡市)では、震災発生時に各生産ラインが緊急自動停止したものの、被害はなかったという。余震の状況をみながら技術者が細部をチェックし、随時、生産ラインの稼働を始めている。
■きょう13日は開店見込み
百貨店・大沼(山形市)の山形本店は、停電が続いていたため12日も閉店。従業員は通常通り出社したが、開店の見通しが立たないため午後2時ごろに帰宅した。その後、夜になって電気が復旧したため、13日は開店する予定だ。店内は落下したガラス製品や陶器などが一部散乱、店内の点検・清掃が必要なことから、開店時間は通常より多少ずれ込む可能性もあるという。
同社の担当者は「宮城方面から多くを仕入れていた鮮魚関係が一番心配。開店に備え、日本海側から入荷できるよう手配を進めているがどうなるか…」と話す。また、開店後についても「しばらくは日用品以外の買い物をする雰囲気にはならないのでは」と懸念する。
一方、米沢市内の大沼米沢店は、12日朝から通常通り営業した。ただ、建物の周囲のガラスが破損するなどの被害があるという。