海産物の入荷途切れ 県内市場で葉物類不足も
2011年03月15日
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三陸沿岸からの鮮魚が届かず、がらんとした新庄地方卸売魚市場=新庄市鳥越
【山形】 山形市公設地方卸売市場では、普段は半分以上が三陸産という魚介類が大きな影響を受けている。本来はギンザケの入荷が始まる頃だが、担当者は「全く状況がつかめない」と表情を曇らせた。日本海産も前日のしけの影響で入荷が少なかったといい、入荷できたのは陸奥湾(青森県)産などにとどまった。カレイやマスなどが中心で、卸値は全般的に1~2割高値となった。青果は本来、仙台方面からの入荷が多いホウレンソウやコマツナ、ミズナなど葉物の入荷が当面少なくなりそうだという。一方、県産のタラノメ、ウルイなどは県外への流通ルートに出しくくなった影響で、通常の5~10倍程度の量が市場に出回った。 【新庄】 新庄青果物地方卸売市場では大根やキャベツ、ニンジン、キュウリ、ホウレンソウなどが全般的に2割ほど高かったという。モヤシは1週間ほど入荷を期待できないという。この時期、仙台方面からの入荷が全体の約5割を占めていた。大根やキャベツ、ホウレンソウ、ネギ、ハクサイなどの主要な野菜は、今後、取引価格が上がる可能性はあるものの、庄内方面から入荷できると見込む。担当者は「どんな展開になるか読めない部分はある」と、先行きの不透明さを強調した。 一方、新庄地方卸売魚市場では、岩手、宮城両県など主に太平洋側から入荷している。三陸沿岸からの海産物はこの時期、ワカメやメカブ、コンブ、ホタテ、カキなどだが、現地と連絡がつかず、見通しは全く立たない。週明けの14日朝、鮮魚はほとんどなかった。担当者は「日本海側の魚種は限られる。関東方面の養殖のタイやブリなどは、輸送するトラックなどが燃料を確保できるかどうか」と懸念を示した。 【米沢】 米沢総合卸売センターの魚市場では、本来ならこの時期に三陸方面で水揚げが盛んになる旬のホッキ貝、ワカメなどの海藻類は入荷が見込めない。一方、九州や四国、近畿地方からの養殖魚の入荷は期待できる。1キロ当たり販売価格はブリが約900円、タイが1000円前後だが、関係者は「あくまで運輸、流通の態勢が整っていることが前提。ガソリン不足で入荷が止まることも想定できる」と指摘した。 米沢市青果物地方卸売市場では東京、新潟などから入荷があり、目減りした商品はほとんどない。担当者は「影響はまだ価格に現れていない。緊迫してくるのは2、3日後だろう。ガソリンがなくてトラックが走れないという話が聞こえ始めている」と語った。 【庄内】 公設庄内青果物地方卸売市場(三川町)では仙台や福島など被災地方面で生産されるセリやチンゲンサイ、シュンギク、ホウレンソウなどの葉物、同地域の市場から転送されるデコポンやハッサクなど果物が入荷されなかったという。ほとんどの商品で値段に大きな変化はなかったが、福島産のニラだけが、地震の影響かは明らかでないものの、12日よりも1束当たり16円増の58円と大幅な値上がりを見せた。 同市場管理事務所の担当者は「今後が心配。卸業者にはアイドリングストップなどを呼び掛け、燃料の節約をお願いしている」と話していた。 東日本大震災 記事一覧
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