2011年03月15日
避難所の名取一中で、自らが被災者でありながら「みんなを元気づけたい」と炊き出しを行っている女性たち=14日午前11時、宮城県名取市大手町2丁目
鶴岡市の20、40代の災害ボランティア有志3人は12日夕、ワゴン車に豚肉20キロと地元の野菜などを積み鶴岡を出発。同日夜に名取市に着いた。市災害対策本部の指示で、約600人が被災する名取一中へ。阪神大震災時に一緒に活動したボランティア仲間と合流し、13日午後から、すいとんの炊き出しを行った。
3人はいったん鶴岡に帰ったが、今回使った器具を残したままで、今後も被災地に戻りボランティアを続けるという。「被災地をどれだけ支えられるか、山形の力が必要」と鶴岡市小淀川、飲食店経営松浦雅也さん(27)ら3人。
衣類や毛布などの救援物資が届けられている名取一中の体育館。厳しく冷える夜に備えるため被災者たちが集まっていた=14日午前11時5分
名取市小山の中田良子さん(67)は「すごく助かった。みんなで『おいしいね。さすが山形の食べ物だ』と話し合った」と笑顔で話す。体育館には布団や毛布、衣類、食料などが置かれている。一方、「下着が足りなくて困っている」「簡易トイレが少ない」。昇降口の時計は震災発生の「2時46分」で止まったままだ。「ちあきへ もしココに来たら体育館にいます」「めぐみ、のりあきは無事です」-伝言板には手書きのメッセージがびっしり。遺体の身元情報も張られてある。訪れた人たちは、張り出された名簿の名前を一人一人なぞりながら確認していた。
避難所になっている名取一中。壁には行方知れずの家族、友人に向けた伝言用紙がびっしりと張られている=14日午前11時20分
「山形の人たちの炊き出しが力になった」-。東日本大震災発生から4日目の14日。奇跡を信じ懸命の救出作業が続く一方、被災した人々が暮らす避難所では支援の輪が広がっている。宮城県名取市の名取一中では13日、鶴岡市の男性ボランティア3人がすいとんを振る舞った。「隣の県だからこそできることがたくさんある」と3人は話す。「さすが山形の食べ物はうまい」。傷ついた被災者の心に“山形の味”がしみた。
(仙台支社・松田直樹、報道部・堀川貴志、秋葉宏介)