2011年03月15日
宿泊や入浴に困る被災者を支援するため、県内では、被災者に通常の半額以下から3分の2程度の料金で宿泊を提供する温泉旅館が出てきた。県旅館生活衛生同業組合(理事長・佐藤信幸古窯社長)が各地の温泉組合に呼び掛けて実現した。予約が殺到するビジネス系のホテルとは逆に、温泉旅館では地震の影響で交通手段や会合自体がなくなってキャンセルが相次いでいる施設もあり、空き室を利用して被災者の支援に当たる。
食事内容は、各施設によって異なり、いずれの地域でもガソリン入手は困難。
◇上山市のかみのやま温泉 14軒が、被災者に1泊3食付きのプランを一律5250円で提供する。救援隊員など支援者は素泊まりで5400円。計約1200人を受け入れられるという。問い合わせは市観光物産協会023(672)0839。
◇南陽市の赤湯温泉 15軒が一律料金で受け入れ。被災者・支援者ともに1泊が素泊まりで3675円、朝食付きで4200円、2食付きで5250円。問い合わせは赤湯温泉旅館協同組合0238(43)3114。
◇米沢市の小野川温泉 14軒が、通常の半額から3分の2程度の料金で被災者を受け入れ。最も安い施設では個室自炊などで1泊3000円。朝食付きでも4000~5000円の所が多い。5歳以下の幼児が無料の施設や、ペットの受け入れが可能な施設もある。計約480人の受け入れが可能。問い合わせは小野川温泉旅館組合0238(32)2740。
同温泉の「鈴の宿 登府屋旅館」は、ライフラインの復旧などに携わる災害支援企業の従業員の入浴・仮眠場所を提供している。毎日1室のみ。午前9時~午後10時に電話で受け付ける。同旅館0238(32)2611。
◇天童市の天童温泉 11軒が素泊まりで5000円からのプランを用意。料金は各施設で異なる。合わせて100人の受け入れを想定している。問い合わせは天童温泉協同組合023(653)6146。
◇東根市のさくらんぼ東根温泉 大震災が起きた11日から被災者が集まり始め、空きは少なくなっているが、被災者は1泊素泊まりで4200円から受け入れる。料金は各施設で異なる。16軒が対応する。支援者についても行政から要望があれば受け入れる。問い合わせは東根温泉協同組合0237(42)7100。
◇最上町の赤倉温泉 6軒が、1泊3食付きを5250~8400円で用意。被災者には入浴だけなら無料で提供する。入浴時間は午前10時~午後5時。問い合わせは、わらべ唄の宿湯の原0233(45)2215。
◇飯豊町の「がまの湯温泉いいで旅館」 1泊朝食付きで相部屋は3500円、個室は5000円で受け入れる。100人程度の受け入れが可能。問い合わせは同旅館0238(72)3706。
天童、東根両温泉に大勢が避難
天童市の天童温泉、東根市のさくらんぼ東根温泉には、既に大勢の被災者が避難してきている。
天童市のホテルに避難してきた被災者。疲れた表情を見せながら非常食や毛布の購入に追われた
福島県南相馬市から避難してきた女性(66)は東京電力福島第1原発の半径20キロ圏内に住んでいるため避難指示を受け、長女がいる天童市に逃げてきた。津波襲来時は乗用車で懸命に避難したが、親類や知人は何人も波にさらわれたという。海に近い地域は壊滅状態だった。「まだ夢を見ているようだ。現実感がない」と体を震わせた。
仙台市若林区の女性(60)は夫、長女と東根の旅館に避難してきた。同区の海岸部では200~300人の遺体が見つかり、長男が勤務する同区内の会社も津波で流された。沈痛な表情で「被災者はどこに行けば受け入れてくれるのかを知りたがっている。私たちは無事だっただけありがたい」と話した。
両温泉の各旅館、ホテルはそれぞれ数十人から100人規模で被災者を受け入れている。栄屋ホテル(天童)の女将は「節電、節水を強いられているが、できる限り何とかしたい」と語った。