東日本大震災

不明の1人「死ぬなよ」と言い車外へ 東根・生還の3人、津波の恐怖語る

2011年03月15日
住民たちを前に、被災した際の状況などを語る3人(マスクを着けた左端の3人)=東根市・新田公民館
住民たちを前に、被災した際の状況などを語る3人(マスクを着けた左端の3人)=東根市・新田公民館
 耳に残る「死ぬなよ!」の声-。11日発生の東日本大震災に宮城県石巻市で遭遇し、安否が不明だった東根市の果樹農家3人が14日夜、わが家に無事帰った。3人は同市に帰還した際、心配していた地元住民らに被災した際の状況を報告。憔悴(しょうすい)しきった様子で、津波に巻き込まれた際の恐怖などを生々しく語り、現在も消息不明の仲間1人の無事を祈った。

 安否が不明となったのは4人で、宮城県に海釣りに出掛けた際に被災した。仲野広幸さん(47)、横尾亮一さん(45)、鈴木博之さん(39)の3人は帰還を果たしたが、40代の男性1人が消息不明。4人は1台の車に乗り、女川町付近の峠道を走っている際に地震に遭い、危険を避けるため、安全な町場に戻ろうと石巻市の市街地に移動した。停電のために信号機が機能せず渋滞が発生。動かない車列に戸惑っていた時、後ろから来た津波に巻き込まれた。

 「水が流れてきたと思ったら、あっという間に車が浮いた」と、3人は当時を振り返る。一行の車は、難を逃れようと、直前に道路脇の駐車場に移動していたが、次第に水かさが増えて車が浮き、他車とぶつかりながら回転し始めた。フロントガラスが割れる中、「このままでは逃げる隙間が無くなる」と思った4人は車外に脱出。その途端、波にさらわれてそれぞれ別々の場所に流されたまま一夜を過ごしたという。

 翌日に現場付近に戻った仲野さん、横尾さん、鈴木さんは再会を果たし、避難所を回りながら残り1人の行方を捜したが、消息をつかむことはできなかった。「彼は『死ぬなよ!』と言って、いち早く車から出たはずだ」と確認し合う。電気、水道がストップする中、3人は被害が比較的少ないと思われた大崎市までヒッチハイクをしながら約40キロを移動。公衆電話を見つけて自宅などに連絡し、迎えに来た家族と再会を果たした。

 「避難所では連絡手段がなく、誰がどこにいるのか、情報をつかめなかった」と3人。報告を聞いた住民たちからは「ゆっくり休んで」などと温かい言葉が掛けられたが、「ご迷惑を掛けました」「(残りの1人が)どこかで助けられていることを信じている」と終始固い表情だった。
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