東日本大震災

町民に広がる支援の輪 身重の主婦ら、遊佐の避難所に

2011年03月22日
避難者を支援しようと食料品を届ける遊佐町民(右)=21日、遊佐町・西浜セミナーハウス
避難者を支援しようと食料品を届ける遊佐町民(右)=21日、遊佐町・西浜セミナーハウス
 東日本大震災に遭った、福島県相馬市の主婦土屋友紀さん(30)は、小学生と幼稚園児の子ども3人を連れて遊佐町の西浜セミナーハウスに避難してきた。妊娠6カ月の身重。夫(30)は津波で亡くなり、相馬の自宅は崩壊した。逆境の中、友紀さんは「一緒に避難している親戚や遊佐の地域の人たちに励まされている」と気丈に語る。

 友紀さんは、縁者を頼って遊佐町に身を寄せた親戚に声を掛けられ、18日に来町した。同ハウスでは家族同然の親戚4家族21人が暮らし始めており、9人の子どもの笑い声が響く。

 友紀さんの胸元には夫・誠さんが身に着けていたネックレスが光る。誠さんは家族を車で避難させた後、消防団活動のために地元に戻ったところ、津波に襲われた。

 「もし夫がいてくれたらと考える。赤ちゃんが産まれてもミルクも家もない」と不安を口にするが、「今は家族がいて心強いし、バタバタしているので…」と実感がわかない。出産予定日は7月23日。「夫が残してくれた赤ちゃん。生まれ変わりなのかな」

 手を差し伸べる支援の輪が町民の間で広がり始めている。連日、町民らが米や野菜、肉、ガソリンといった支援物資を届けに来る。

 「何か足りないものは」「暖房は大丈夫?」。21日は漁師の男性(56)がタラ3匹、50代の夫婦が衣料品を持参するなど何人も訪れた。

 共に身を寄せている親戚の1人、桜井友子さん(58)は「身内でも知り合いでもないのにこんなに助けてもらって…。頭を下げてお礼を言うしかできない」と話す。

 4家族の自宅はなくなり、仮設住宅への入居は早くて6月ごろ。みな漁業で生計を立てていたが、再開できるのか分からない。友紀さんら女性たちは「明日のことを考えられない状況だが、暗くなっていても仕方ない。今は温かい心に助けられて暮らせている」と口をそろえた。
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