2011年03月23日
住宅の残骸などを掘り起こし取り残された人が居ないかを確認する県警機動隊員=22日午前11時32分、岩手県陸前高田市
犠牲者・行方不明者が合わせて2000人を超える岩手県陸前高田市。太平洋に突き出る広田半島は、道路網を寸断されて震災後しばらく、孤立状態に陥った。山形県警機動隊(四釜明隊長)は22日、その半島で行方不明者の捜索に当たった。同隊が到着したのは、仮設道路が開通した21日。既に発生から10日以上が経過し、今なお膨大ながれきの山が目の前に広がる中、活動はまだ2日目だ。支援の手が届き始め、気丈に笑顔で迎える住民たちを前に、隊員たちは「1人でも多くの人を発見したい」と、焦燥感を打ち消すように作業を進めた。(報道部・田中大、色摩高幸、平吹浩志)
県警機動隊は拠点を置く岩手県奥州市を22日午前7時に出発した。「街があった形跡を消し去るほどすさまじい」(四釜隊長)という被災地。家屋や車両のがれきの山を進み、2時間半をかけて半島に入った。陸前高田市で活動するのは山形と青森、秋田、埼玉、静岡の5県警。山形県警機動隊の捜索エリアの行方不明者は、市職員すら正確に把握できていなかった。隊員が直接住民から聴き取りを行い、ようやく11~13人と分かった。
湾に面した捜索エリアの防波堤は破壊され、機能を失っていた。余震が続き、いつまた津波が襲ってくるか分からない。四釜隊長は捜索前、「津波警報が入ったら、あそこまで避難するように」と高台を指さして命じた。
がれきを取り除く作業は、全て手作業だ。砂利を盛っただけの仮設道路は不安定で、重機の搬入は難しい。隊員たちは黙々と無残にねじ切れた柱や壁などを起こし、横たわる家屋の一部をのぞき込んで懸命に捜し続けた。2班計47人が日没近くまで作業したが、救出や発見には至らなかった。
「大船渡と比べても、がれきが多い。それでも住民は頼りにしてくれている」と、岩手県大船渡市でも活動した加藤清和巡査(23)。住民たちは隊員を見掛けるとあいさつを交わし、おじぎする人もいる。「完全に孤立していたが、こちらにも支援の目が向いていると分かった」と初老の女性は語った。
「21日に到着した時、これを食べてと被災者が支援物資のパンを持ってきてくれた。気持ちだけで十分と感謝した」と四釜隊長。高橋由行巡査長(27)は「1人の力ではどうにもならない状況だが、自分の家族が被災したのと同じ気持ちだ。前を向いて頑張るしかない」と、がれきをかき分け続けた。