東日本大震災

希望の光、新しい“命”誕生 福島相馬から避難の大野さんが出産

2011年03月25日
無事に生まれた四女の姿に目を細める大野竜子さん=山形市・山形済生病院
無事に生まれた四女の姿に目を細める大野竜子さん=山形市・山形済生病院
 東日本大震災で山形市の避難所に身を寄せている福島県相馬市、漁師大野勇さん(39)の妻竜子さん(35)が23日、第5子となる四女を出産した。2626グラムの愛らしい赤ちゃん。震災の痛手を受け、終わりの見えない避難所生活を送る一家が、希望の光となる新しい命を授かった。

 大野さんの自宅は地震で損壊し、漁船も津波で流された。幸い家族は無事で、相馬市内の親戚宅などに避難したものの、福島第1原発の事故が起きた。妊娠9カ月で相馬市の病院での出産を予定していた竜子さんはおなかの子への放射線の影響を恐れ、地元を離れることを決意。17日に親戚と共に14人で山形市総合スポーツセンターに避難した。

 「右も左も分からない場所での出産に不安はあった」と竜子さん。妊娠中毒症を発症していたこともあり、大勢がいる体育館では安静に努めた。だが、19日に血圧が上昇し、山形済生病院にタクシーで向かい、入院。医師の勧めで陣痛促進剤を服用し、その時を待った。

 23日午後1時27分、分娩(ぶんべん)室に産声が響いた。予定日より約3週間早い出産だった。「生まれてくれてありがとう」。竜子さんは、最初にそう言葉を掛けた。母子ともに健康だった。

 今後の生活への不安は尽きないが、「精神的なつらさも子どもの顔を見て吹き飛んだ。問題は山ほどあるが、子どものために頑張りたい」と勇さん。竜子さんは「車で長時間移動したりして、おなかの中にいる時に苦労をかけた。元気に健康に育ってくれれば、それだけでいい」と話し、わが子を優しく抱き締めた。

 28日に退院する予定。それまでに夫婦でじっくり、名前を決めることにしている。
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