2011年03月28日
恐怖を味わった平田裕紀さん。経験を糧に生きていこうとしている=石巻市内
石巻専修大(石巻市)野球部には、本県の高校出身の8選手が所属する。地震が発生したのは11日の練習を終えて解散した後。平田裕紀さん(21)=同大3年、新庄東高出=はアパート1階で休んでいた。「これで終わるのかと思うほど怖かった」。さらに津波による浸水も経験することとなった。
平田さんは練習後、強い揺れで目覚めた。外には津波を知らせながら逃げる人、親からは「高い所に逃げろ」というメール。避難した石巻消防本部のラジオで惨状を知り「血の気が引いた」。余震の続く2日目を不安の中で過ごし、不眠で迎えた3日目の早朝。屋上から見えたのは、3年ほど過ごした町全域が水に浸っている光景だった。
「まさかこんなことになるとは。ここまでは(津波が)来ないと思っていたのに」。その夕、食料を得るためアパートに戻ったところ、部屋にはまだ膝の高さまで水が残っていた。水が引くまで数日、3階の友人宅で過ごした。「あの時の水はめちゃくちゃ冷たかった」と思い返し「まずは今を生きること。落ち着いたらボランティアをし、就職もして復興に関わりたい」。大学では4番打者として打点王やベストナインに輝いた平田さん。近づく春に誓いを立てている。