東日本大震災

ケーシー高峰さん、笑いや炊き出しで恩返し 23年いわき居住、離れず頑張る

2011年03月31日
23年間住む福島県いわき市にとどまり、避難所で炊き出しを行っているケーシー高峰さん=2006年撮影
23年間住む福島県いわき市にとどまり、避難所で炊き出しを行っているケーシー高峰さん=2006年撮影
 最上町出身で「医学漫談」で知られる漫談家ケーシー高峰さん(77)が福島県いわき市の自宅にとどまり、近くの避難所で炊き出しを行っている。避難者の声にじっくり耳を傾けては時折ジョークを飛ばして心をほぐすことも。山形新聞の取材に対し30日、「23年住み続けている土地の人たちに恩返しをしたい。こんな時だからこそ笑いも大事」と話した。

 -福島第1原発の事故が心配では。

 自宅のあるいわき市泉ケ丘は原発から約60キロ。近くの子どもがいる家族はほとんど避難した。残っているのは高齢者ばかり。頭の中、何を考えても甲状腺(向上せん)なんてね。

 -避難は考えていないのか。

 23年住んだいわきの人のために何かやってやろうという気持ちの方が強い。避難所に顔を見せただけで「わー、ケーシーが来た」って被災者が喜んでくれる。ストレスをため込むのが一番よくない。話を聞いたり冗談を言って笑わせたりすると、涙ながらに語って、最後は「よく来てくれた」って言ってくれる。ありがたいですよ。もういわきを離れません。

 -炊き出しにも取り組んでいる。

 近くの公民館に、相馬市や北茨城市から70人ぐらい避難してきている。家を流され、着の身着のまま逃げてきた人たちは本当に気の毒。毎日おむすびとたくあん、みそ汁だけ。居ても立ってもいられなくて、28日に初めて炊き出しをした。振る舞ったのはまいたけご飯と豚汁。これからは3、4日置きにやるつもりだ。妻の友達や地域のお母さんたち10人ぐらいが家から食材を持ち寄って、僕も包丁を握った。

 -福島県沿岸部は大変な被害に遭った。

 踏んだり蹴ったりだ。紙おむつをはじめ支援物資は届かないし、ガソリンもない。農業被害に風評被害が重なっている。スーパーが営業を始めたらしいが、インスタントラーメン、パン、お茶はあっという間に売り切れたようだ。マスコミは宮城県の被災地を多く取り上げるが、この辺りの海岸線も見るも無残。電気は通ったけれど断水が続く。まだまだこれからが大変だ。

 -復興までは長い道のりになる。

 つくづく東北の人は辛抱強いと思う。普通なら文句を言っているよ。同じ東北人、山形と福島に通じるものを感じる。今、山形に避難している福島の皆さんは、どうぞ山形県人に甘えていいよ。山形の人は、持ち前の心の広さを大いに発揮してほしい。僕はいわきで頑張ります。
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