東日本大震災

続く自粛ムード、飲食店やホテルに影響 客足途絶えたまま、経営厳しく

2011年04月02日
 東日本大震災の影響で、例年、歓送迎会でにぎわう県内各地の飲食店やホテルが活気を失ったままだ。発生直後と比べれば客足は戻りつつあるというが、店主らは自粛ムードが長引いていることを感じ取りながら、「宴会を不謹慎と思わないで」と訴える。

来店に備えながら客足は戻らず、「宴会を不謹慎と思わないで」と悲痛な叫びが聞こえてくる=3月31日、酒田市
来店に備えながら客足は戻らず、「宴会を不謹慎と思わないで」と悲痛な叫びが聞こえてくる=3月31日、酒田市
 酒田市のすし店では3月末までの宴会予約取り消しが400人分近くになった。損失額は150万~200万円。男性社長(59)は「これ以上『自粛』が続くと経営が厳しい。従業員の給料や、鮮魚店、酒屋などの取引先にも影響が出る」と“負の連鎖”を不安視し、「宴会を不謹慎と思わないでほしい。カネを回し、経済を活性化することが大切だ」と切実に語る。

 「きっついよ」。山形市の飲食店の男性経営者(33)は漏らす。3月13日から営業を再開したが、客足は普段の半分に満たない。「このままでは支援する側ではなく、助けてもらう側になるかも。皆さんにはできる限り普通の生活をしてほしい」と願う。

 新庄市の飲食店では、4月2日までに入っていた50件を超える予約のうち、約40件がキャンセルに。損失額は300万円に上る。歓迎会などの新規の予約もない中、3月25日ごろから少人数グループの来店が増えてきているのが救いという。男性社長(51)は空白が目立つ予約帳を手に「食材は十分入手できる。少しずつでもお客さんに来てもらいたい」と祈るように話す。

 尾花沢市の銀山温泉は、新幹線の運休やガソリン不足などの打撃を受け人通りはまばら。温泉旅館の社長(59)は「発生翌日からキャンセル続き。土日でさえ宿泊客はほぼゼロ。影響は数百万円に及ぶかも」とため息をつく。

「自粛ムード」で人通りもまばらな山形市中心部の飲食店街=3月31日
「自粛ムード」で人通りもまばらな山形市中心部の飲食店街=3月31日
 山形市内では、複数のホテルで宴会・結婚式を含めたキャンセル数が、3月中だけでそれぞれ百数十件に達した。1億円近い売り上げが消えたところも。各担当者は「祝い事はもちろん、酒を飲むこと自体を控える人が多い」と感じている。3月下旬ごろから予約の入れ直しや、「仙台市でできなかった会合を山形で開きたいが可能か」といった問い合わせが入ってきているといい、好転を期待する。

 鶴岡市湯野浜の温泉旅館では、予定されていた歓送迎会はほぼ全て取りやめになったが、あらためて予約を入れる客が出てくるなど、明るい兆しが見え始めている。総括マネジャーは「震災の疲れを癒やしに来る人たちが増えるのではないか」と希望をかけ、「ゴールデンウイークまでには回復してほしい」と話した。
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