東日本大震災

東山紀之さん「東北人の底力を実感」 県ゆかりの著名人・やまがたを思う[1]

2011年04月05日
 東日本大震災は地震や津波だけでなく、福島第1原発事故も引き起こし、国内外に衝撃を与え続けている。芸能や文化、スポーツ、財界などで活躍する本県ゆかりの著名人は、この震災をさまざまな思いで受け止めた。体験を踏まえながら、被災者支援、復興に向けて自分は何ができるのか、山形の役割は-。激励のメッセージを込め、語ってもらった。

 -どこで東日本大震災に遭い、どう感じたか。

 「大阪のホテルに滞在していた際に、地震が来た。誰に何を伝えたらいいのか一瞬分からなくて、東京に電話したがつながらず、その瞬間、すごいことが起こったと分かった。僕の人生の中でもあり得ないような経験」

 -震災の前と後で、自分の中で変わったことは。

 「自然の怖さとそれに対する人間の対処の仕方という面で、自分の中の価値観が大きく変わった。特に『節電』。みんな心の中で思っていたが、震災前はそれを行動に移していなかった。東京の渋谷や六本木は夜でも昼間のように電気がついていた。これが果たして必要なのかという思いはあった。3月20日に大阪から東京に帰ってきた際、街なかは今までにない暗さだったが、心地よさも感じた。ある意味、自分だけでなく日本人の価値観が変わったのかもしれない」

 -所属するジャニーズ事務所は、被災地支援プロジェクト「Marching(マーチング)J」を展開した。

 「今回の震災では、スポーツ界をはじめ、世界が日本のために一つになり始めている。自分の事務所もグループごとの垣根を越え『マーチングJ』で一つになった。活動に取り組んでみると、被災した方たちに何ができるのかという思いがますます強くなる。自分個人では無力だが、呼び掛けに賛同してくれる人がたくさんいる。エンターテインメントの中で、その思いを紡いでいかなければならない」

 -被災者たちの忍耐強さは世界で称賛された。

 「日本人の本質のすごさが分かった。歴史を振り返れば、日本以外ではこういった場合必ず暴動が起きて、金品を奪い合う騒ぎになる。しかし報道で知る限り、そのような状況には至っていない。しかも被災された人々が、それぞれ他の人のために何かしようとしている。これは(鶴岡市出身の作家)藤沢周平さんが書いた世界観とよく似ている。日本人が育んできた精神なんだとあらためて感じた」

 -山形県には福島県や宮城県から多くの被災者が避難している。

 「この経験が次の世代につながり、その世代が日本人の心を豊かにしてくれるはず。僕らは次世代へのメッセンジャーだ。(被災者は)次世代につなげるために踏ん張ってほしい。東北の人たちは世界に誇れる人間性と誇り高さを持っている気がする。世界でも類を見ない大災害に遭った中で、彼らの行動や発言は見ていて誇らしい。日本人の底力を感じる」

 ▽ひがしやま・のりゆきさん 俳優・歌手。1966年神奈川県生まれ。少年隊として85年「仮面舞踏会」でレコードデビュー。以後、テレビや舞台など多方面で活躍。本県関係では県内ロケを行った藤沢周平原作の映画「山桜」(2008年)に出演。同じ藤沢作品を原作にした主演映画「小川の辺(ほとり)」が6月18日、県内で先行公開される。
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