東日本大震災

小山薫堂さん「言葉の力大きさ実感」 県ゆかりの著名人・やまがたを思う[5]

2011年04月10日
小山薫堂さん=東京都港区の事務所
小山薫堂さん=東京都港区の事務所
 -俳優の渡辺謙さんと共に、被災者の心を癒やす動画サイト「kizuna(キズナ)311」を立ち上げた。渡辺さん、香川照之さん、竹中直人さんらによる詩の朗読や応援メッセージなど20本以上の映像を無料配信している。

 「人の心をぽかぽかさせる、ぬくもりあるコンテンツを作ろうと考えた。テレビからは悲惨な映像が繰り返し流れ、メディアから明るい光が失われていると感じたから。テレビ、ラジオ局にも無償で素材を提供している。より多くの人にコンテンツそのものを差し入れする気持ちで取り組んでいる」

 -3月15日のサイト開設以来、総再生回数は200万回を超えた。

 「言葉の力の大きさを実感している。日本人はこれまで日本語をないがしろにしてきたところがあった。でも今は、心に染みる言葉を欲しているように思う。日本では年間約3万人の自殺者が出ている。『kizuna』がこれから先、日本人のぬくもりを引き出し、優しさが連鎖する場として続いていけばいい」

 -山形の人ができる支援にはどんなことがあるか。

 「僕が教えている東北芸術工科大の学生たちが、被災地支援のアイデアを送ってくる。ハートにネコ目のキャラクターを描いたコムデギャルソンのTシャツのロゴ『PLAY』を『PRAY(祈る)』に変えて世界に支援を呼び掛けるのはどうか、といった案も。実現できたらすごいけど、その前に近くにいてできることを考えてごらんよ、とアドバイスしている」

 -例えば。

 「山形発祥の『冷やしシャンプー』の呼び名を『アイス(愛す)シャンプー』に変える。料金を今より500円上げて、その分を使って理容師が被災地に出向いてシャンプーするのはどうか。県内の理容組合で一斉に取り組めば、今度は他の業種の人が刺激を受けて、自分たちも何かできないか-と広がりが生まれるかもしれない」

 -復興に向けてどんなことを考えているか。

 「善意が社会にあふれている今、この思いをうまく消費行動に組み込んだ経済の仕組みをつくるべきだ。お金は人への拍手。例えば野菜を買う時、作ってくれた人に拍手を送りたいからお金を支払う。単に安い商品に群がるのではなく、『東北の物を買って応援しよう』というように、思いを持ってお金を使えるようになるチャンスだと思う」

 -被災者を受け入れている山形の人がやるべきことは。

 「何かをやってあげる支援だけでなく、やってほしいと要求する支援が必要。一番分かりやすいのは『うちで働いてくれませんか』と仕事をつくることだ。被災者が、自分を被災者だと思っている限り、なかなか前向きにはなれないだろう。『被災者』という肩書をいかに早く消すことができるか、ということに取り組んでいかなければ」

 ▽こやま・くんどうさん 東北芸術工科大(山形市)企画構想学科長、脚本家、放送作家。1964年熊本県天草市生まれ。日本大芸術学部在籍中から放送作家として活動し「料理の鉄人」「トリセツ」などの番組を企画。脚本を手掛けた庄内ロケの映画「おくりびと」が米アカデミー賞外国語映画賞。著書に「考えないヒント」「恋する日本語」ほか。
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