東日本大震災

「避難者の隣人」として県民にできること 災害ボランティアに聞く

2011年04月10日
避難所となっている米沢市営体育館。足湯などを通じ、ボランティアのスタッフと避難者がコミュニケーションを深めている
避難所となっている米沢市営体育館。足湯などを通じ、ボランティアのスタッフと避難者がコミュニケーションを深めている
 東日本大震災の発生から11日で1カ月。福島県などから本県に避難して人たちの生活は、仮住居への入居や児童生徒の就学が進むなど新たな段階を迎えた一方、依然として将来を見通せない状況が続いている。隣人としてわれわれ県民にできることは何か。現状と今後について、最前線で力を尽くす災害ボランティアに聞いた。

 「今後は避難者同士、避難者と地域が意識的にコミュニケーションを図る必要がある」。こう指摘するのは、ボランティア米沢事務局長の丸山弘志さん(49)=横浜市。自らが阪神大震災で被災し、避難所生活を送った経験者だ。

 阪神大震災では、仮設住宅での孤独死が問題になった。住んでいた地域を考慮せず入居先が割り当てられたため、高齢者などコミュニケーションの機会を失った人たちが孤立し、ストレスをため込んだことも要因とされている。

 今回の震災では、福島第1原発事故に伴い福島県の人たちが家族単位で自主的に避難した。このため本県の避難所の多くは、初対面同士で集まり、共同生活を営む場となった。こうした中、仮住まいへの移動が始まったことについて、丸山さんは「避難所に残っている人には、取り残されたと思う人もいる」と説明。イベント開催や自治会づくりなど「交流の機会を意識的に設けていくことが必要」と話す。

 また、慣れない土地で先の見えない生活を続ける不安は、容易には拭い去れない。丸山さんは「できるなら住んでいた町単位で集まり、生活することが理想的」と、長期化する避難生活に配慮した対応を行政に提言。県民には「避難している人のニーズに応えることがボランティアの役目。引き続き寄り添い、耳を傾け、考えて行動してほしい」と期待する。

 雲仙・普賢岳噴火で被災経験のある島原ボランティア協議会の松永忠徳さん(60)=長崎県島原市=は、児童生徒の就学環境について、同様の注文をつける。「避難してきた子どもは、地元の子との暮らしぶりの違いに敏感。同じ地域から来た仲間が集まることができれば、気持ちを分かち合えるはず」。また、避難者には「新しい環境に子どもがなじむためにも、周囲の大人が生活に活力を取り戻さなければいけない。どんどん外に出てほしい」と呼び掛ける。

 避難者の働く場の創出、地域活動への参加の呼び掛け―。大きな被害を免れた隣人として協力できることはある。松永さんは「地元の人も避難者も一緒になって働いて、消費していけるのが理想的。自粛ムードで疲弊している地域経済のためにもなる」と訴える。
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