東日本大震災

東北ゆかりの作家らが寄稿 仙台の出版社、震災後初の地域誌発刊

2011年04月29日
「仙台学」東日本大震災特集号を手にする荒蝦夷の土方正志代表(左)と千葉由香編集長=山形市・八文字屋本店
「仙台学」東日本大震災特集号を手にする荒蝦夷の土方正志代表(左)と千葉由香編集長=山形市・八文字屋本店
 東日本大震災で被災し、山形市に一時拠点を移して活動を続けている仙台市の出版社「荒蝦夷(あらえみし)」が、震災後初めての出版物を発刊した。東北ゆかりの作家ら17人が熱のこもった文章を寄稿した地域誌「仙台学」の東日本大震災特集号。スタッフが山形市に借りた民家に寝泊まりして編集作業を行い、完成にこぎ着けた。「仙台学」編集長の千葉由香さんは「今までのどの『仙台学』にも増して感慨深い一冊になった」と話している。

 「書き手の皆さんが、東北に縁がある。原稿への気合の入り方が違う。東京のメディアへの寄稿とは違う、直球の言葉が届いた」と荒蝦夷代表の土方正志さんは語る。執筆陣は作家高橋義夫さん(山形市)佐藤賢一さん(鶴岡市)黒木あるじさん(山形市)ら本県在住者をはじめ、山形市出身のノンフィクション作家吉田司さん、上山市出身のルポライター山川徹さん、民俗学者で東北芸術工科大(山形市)元教授の赤坂憲雄さんら。ほかに作家伊坂幸太郎さん(仙台市在住)や熊谷達也さん(同)、宗教学者の山折哲雄さん(岩手県花巻市育ち)らが加わる。

 どの筆者も、東北に根差す者として並々ならぬ思いを抱き、率直な感情を吐露している。復興からほど遠い被災地の現実を目の当たりにした山川さんは「『復興』なんて誰がいった」と静かに憤り、山折さんは吉幾三さんのヒット曲「俺ら東京さ行ぐだ」に東京一極集中への絶望的状況を見る。黒木さんは、被災地のすぐそばにありながらいつもと変わらない日常を送るもどかしさを告白。吉田さんは「ハローハロー、こちら非国民」と題し独自の考えを展開する。

 ストップしていた仙台市の印刷会社の機械が動きだし、紙の生産も再開した3月末、荒蝦夷のスタッフらは発行日を決め、筆者に原稿を依頼。「何が何でも出版する」と企画から1カ月足らずで出版することができた。

 荒蝦夷の他にも、仙台市の出版社は新たな刊行を始め、再生の第一歩を印象づけている。仙台市のプレスアートは25日に情報誌「Kappo」最新号を出版。編集長の川元茂さんは「長い闘いになるだろうが、宮城がどう立ち上がっていくかを記録し、紹介していくことが一つの使命」と話す。さらに同市のプランニング・オフィス社も、先月休刊した情報誌「りらく」を28日に発行。土方代表は「本を出してこそ出版社。震災を経験した東北の出版社だからできることがある」と語っている。
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