東日本大震災

県内小中学校、悩み多き修学旅行 震災影響で時期や行き先変更

2011年05月15日
 東日本大震災を受け、修学旅行の時期や行き先を変えた県内の小中学校が、約160校と全小中学校の4割弱に上ることが、山形新聞の市町村教育委員会への取材で分かった。余震や交通機関の混乱、福島第1原発事故拡大の不安が原因となったケースが多く、今後変更する方向で検討中の学校もある。

 山形十中は5月中旬という日程はほぼ同じまま、行き先を関東から北陸方面にした。佐藤博明教頭は「余震の恐れ、計画停電、原発事故などを考えると、5月の段階で東京方面に行くのは難しいという結論になった。3年生なので、時期をずらさずに実施したいという思いもあった」とする。

 同校のように関東方面を計画していた中学校では、春から秋に延期した例も。中学校の修学旅行は大人数の場合が多く、山形市内の旅行代理店の担当者は「変更するなら早めに決めないと間に合わない」。春に予定していた学校を中心に、JRの復旧や計画停電などの見通しが立たない時点で対応せざるを得なかったという。戸沢村の角川中は、目的地の1つだった東京ディズニーランド(TDL)の被災も影響して、関東方面を諦めた。「旅行会社から手配できないと連絡があった」というケースもある。

 小学校では、余震への不安から期日を遅らせたり、被災地となった仙台・松島方面を山形県内や新潟県など他の地域にする学校が目立った。松島から山形・米沢方面に変えた庄内町の余目二小は「余震に加え、復旧前の状態では児童の安全が確保できないと考えた」。同様に仙台・松島を関東方面に変更した山形市内の小学校の教頭は「4月初めには決めなければならなかったが、余震の不安に加え、鉄道も復旧のめどが立っていなかった。小学生の場合は安全第1という結論になった」と話す。

 原発事故の行方も不安の種。天童市内のある小学校は、保護者から移動途中の原発事故の影響を心配する声があったことを踏まえ、会津(福島県)・日光(栃木県)方面を東京方面にしようと調整を進めている。

 ただ、違う目的地になっても学ぶべきことはある。余目二小は「子どもたちが地元山形の歴史文化を知る機会にしたい」という。山形十中の佐藤教頭は「生徒は『修学旅行に行くことができる』という感謝の気持ちを持っており、旅行の小遣いの一部を義援金にするアイデアもあるようだ」と話していた。
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