東日本大震災

県内、空路と鉄路で明暗 山形空港は高搭乗率続く

2011年05月22日
 東日本大震災発生で大きなダメージを受けた東北地方の公共交通機関が徐々に復旧しつつある中、県内では空路と鉄路で明暗が分かれている。壊滅的な状況に陥った仙台空港の代替機能を果たしている山形空港は連日、混雑状態が続く。一方、山形新幹線は福島-那須塩原間で線路補修などをしている影響で通常より最長約30分の遅れが生じ「工事を急いでいるが徐行を解除する時期は見通せない」という。

 震災で太平洋側の空路、鉄道、道路が大きな被害を受けた。ほぼ無傷だった山形空港は発生直後から首都圏と関西圏を結ぶ東北の玄関口として機能。当時のような混雑ぶりは解消されたが、今でも定期便の羽田、大阪(伊丹)間は高い搭乗率で推移しており、特に羽田便はキャンセル待ちが続いている。震災前は存続が危ぶまれるほど利用が低迷していたが、「臨時便を出せないか日本航空に打診したい」(県交通政策課)という状況だ。

 背景について同課の竹内重貴課長は「はっきりしたデータはない」と前置きした上で「東京便については、これまで新幹線を使っていた空港周辺の利用者が飛行機を使うようになったことが考えられる。震災後に山形空港が注目されたことで見直されたのでは」と分析する。

 一方、現在も那須塩原-福島間や仙台以北で線路や駅の補修工事が行われている東北新幹線。工事区間を通過する際は安全に配慮してスピードダウンしており、山形新幹線のダイヤにも遅れが出ている。JR東日本山形支店によると、東京-新庄間の所要時間は通常と比べ8~28分長くなっているという。東京-山形は、通常ダイヤではほとんどの列車が2時間台で到着するが、現在の暫定ダイヤだと約3時間10分を要す。通常ダイヤで約3時間40分の東京-新庄は、暫定ダイヤではほぼ4時間かかっている。

 スピードダウンに加え、暫定ダイヤでの運行が遅れの一因となっている。東京-大宮間は東北新幹線の他、長野、上越の両親幹線も同じレールを使用。長野、上越の両新幹線は通常ダイヤで運行しているため、同区間の通過は東北新幹線側で時間調整する必要があるという。

 補修工事が終了して安全が確認された時点で通常ダイヤに戻す見通しとなっているものの、同支店は「線路や駅の施設の補修にはまだまだ時間を要する。徐行をしなくてよくなる時期は分からない」。山形新幹線が“遅れ”を取り戻すのは、もうしばらく先になりそうだ。
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