2011年07月13日
米沢市で開かれた「帰還計画」の説明会。放射線量の安全性など、計画に対する疑問の声が上がった=置賜総合文化センター
東京電力福島第1原発の事故などで住民の多数が避難している福島県南相馬市は12日、市外、県外に身を寄せている住民に対し、「帰還計画」と題した文書を発送した。生活再建に向け1、2次避難所からの自立を促す内容。米沢市では同日、駐在する南相馬市の職員が県内他地域に先駆けて説明会を開いたが、原発事故が収束しない中での要請に反発の声が出た。
計画は、市民の自立に向けた行動目標として策定。1次避難所からは7月末までに、2次避難所からは8月末までに退去し、自宅に戻ることを依頼。戻れない場合も、仮設住宅や自治体の借り上げアパートなどに移り、生活再建に取り組むよう求めている。いずれも強制ではない。
旅館、ホテルに同市民約140人が滞在する米沢市ではこの日、置賜総合文化センターで説明会を開催。約20人に直接文書を配り、駐在する職員が概要を話したが、放射線量に対する安全宣言がないことなどに疑問の声が上がった。斎藤祐樹さん(28)=小高区=は「放射線量が安全であることが大前提。帰還させることが目的になっている」、木幡竜一さん(47)=原町区=は「会社が警戒区域内で仕事ができない。戻ったら市が補償するのか」と訴えた。
置賜地域では雇用促進住宅や借り上げアパートの空きが無い状況で、「住まいが見つかっていない」との声も。「また避難することになったら受け入れ先はあるのか」という指摘もあり、行政側の意向と避難者の実感のずれが浮き彫りになった。
帰還計画策定の背景には、10月までに避難所の閉鎖を目指す福島県の方針や、政府が緊急時避難準備区域(同原発から20~30キロ圏内)解除について言及したことなどがある。県内の2次避難の期限は現状、9月末までとなっており、同市職員は「これまで通りに生活しながら、自立に向かうことも意識してほしい。市民の実感は市に伝えていきたい」としている。
南相馬市によると、避難している住民は同市以外の福島県内に約1万人、新潟県に約2500人、宮城県に約2200人、本県に約2000人。鹿児島県を除く46都道府県に広がっている。
2次避難者対象の説明会は13日に小国、飯豊、川西の3町、14日は高畠町と南陽市で開催。1次避難所となっている県飯豊少年自然の家では15日に開催する。