東日本大震災

冷やしシャンプー、被災者に笑顔 県内理容師らボランティア

2011年07月18日
本県の理容師が仮設住宅で暮らす人たちに冷やしシャンプーをして涼しさを届けた=宮城県東松島市
本県の理容師が仮設住宅で暮らす人たちに冷やしシャンプーをして涼しさを届けた=宮城県東松島市
 本県発祥の冷やしシャンプーで東日本大震災の被災者に涼しさを届けようと、県内の理容師らが17日、宮城県東松島市の仮設住宅集会所で「愛すしゃんぷー」と銘打ったボランティアを展開した。お年寄りから子供までが詰め掛け「頭も心もすっきりした」「毎日やってほしい」と笑顔を見せた。

 訪れたのは山形県冷やしシャンプー推進協議会(植松行雄代表)の10人。移動式の流し台や足踏み式簡易シャワーを運び込んで臨時の「理容室」をオープンした。

 「冷やし」を「アイス(=愛す)」と言い換えた活動を発案したのは、脚本家で東北芸術工科大企画構想学科長の小山薫堂さん。賛同した協議会メンバーが準備を進めてきた。小山さんの教え子の芸工大2年吉岡太郎さんや同大3年及川聡美さんが「愛すしゃんぷー」のロゴをデザインするなど協力した。

 協議会メンバーには、被災した同業者を励ましたいとの思いもあった。東根市在住の植松代表が、仮設住宅近くの野蒜地区に店を構えていた10店舗と連絡を取ろうと奔走したものの、連絡先が分かったのは2店舗だけ。その2店の友野博之さん(40)と田村満宏さん(39)がこの日訪れた。

 友野さんの妻は、避難先の野蒜小体育館で津波にのまれ亡くなったという。おなかには赤ちゃんがいた。残された長男の陽貴君(4)を育て生活していくため、被害を免れた店舗で営業を再開したが、顧客の多くは家を失い地元を離れてしまったため、経営は厳しい。

 同級生の田村さんは、一緒に理容室を営んでいた母親を亡くし、店も流された。友野さんの店を借り、常連客の髪をカットしている。

 「被災者も商売を再開しようと必死。でも、よそから散髪ボランティアにやってくる人たちがいて、せっかくの善意が地域住民の自立の妨げになっている」と友野さん。近くの牛乳販売店の男性は自ら命を絶った。毎日食事の配給があり、大手のメーカーから牛乳も無償で提供される。地元の牛乳店にとっては死活問題だったのではないか、という。

 今回協議会メンバーが、カットはせず、シャンプーに限定したのは、被災地の理容師の仕事を奪ってはならないとの思いからだ。植松代表らは冷やしシャンプーやのぼり旗のセットを2人に手渡して「業務の再開に少しでも役立ててほしい」と力強く言葉を掛けた。
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