2011年07月24日
「山茱萸」で開かれているお茶会。南陽市外からも避難している人たちが集う=南陽市
インターネットの交流サイト「フェースブック」に、南陽市赤湯の温泉旅館「桜湯山茱萸(さんしゅゆ)」の応援ページが開設されている。東日本大震災の発生後から通常営業を休止し、被災者支援に取り組んでいる同旅館を応援しようという試み。発起人の自営業近藤幸広さん(57)=愛媛県=は「山茱萸と同じことはできないが、できる方法で応援したい」と話す。
震災後間もなく被災者の受け入れを始めた山茱萸。同市内で車中泊している避難者に気付き、部屋を提供。大浴場も開放した。当時はガソリン不足で通常の営業が難しい状況。集まれるスタッフの協力もあり、3月16日に自主的に避難所運営を始めた。
「旅館が来訪者をもてなすのは自然なこと」と須藤憲一社長室長。災害ボランティアの経験が無い中、物資提供や保健師による健康相談など手探りで取り組んだ。福島県災害対策本部から情報を集め、問い合わせに応じられるよう努めた。
2次避難先となった現在も被災者向けの運営を継続。お茶会や大浴場の利用で週延べ約450人が訪れる。同県南相馬市の石崎幸一さん(85)は「畳の上で楽に話せる。友達もできた」と笑う。同市の女性(60)は「今後のことで息子夫婦がもめる。家族だけだと息が詰まるの」。山茱萸は境遇を分かち合い、悩みを吐き出す場になっている。
通常営業を休止しているため経営は赤字。「なんとか頑張る」(須藤社長室長)とするが先行きは不透明だ。こうした状況を旅館のホームページで知った近藤さん。「仕事で縁があり、いつか泊まろうと考えていたので驚いた。応援したかった」と話す。
個人で支援を呼び掛けても広がりを欠く。家族が勤める東京都内のインターネット会社の協力を得て、フェースブックの応援ページを開設。支援金やボランティアスタッフ、物資などを募集し、英語版のページも作成した。
集まった支援金は6月末までに250万円以上。宿の運営に役立てられており、応援ページで収支報告が掲載されている。近藤さんは「募金をすれば終わりじゃない。継続的に取り組み、広げていきたい」と話す。応援ページのアドレスはhttp://www.facebook.com/sansyuyu