待望の長男誕生「犠牲者の分も元気に」 福島・相馬から避難の阿部さん夫妻
2011年08月14日
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陽向ちゃんを抱きながら笑顔を見せる阿部有美恵さん(左)と宍戸みゆきさん=鶴岡市
8日から出産の兆候があり、9日は朝早くから陣痛の間隔が短くなったという。病院に入ると、仕事に向かった陵次さんが午前中に、午後4時ごろには有美恵さんの母の宍戸みゆきさん(45)=福島県新地町=がそれぞれ駆け付けた。 これまで経験したことのない激しい痛みが、繰り返しやってきた。「怖さはあったが、2人が『もうすぐ赤ちゃんに会えるよ』と声を掛けてくれたのですごく励みになった」と有美恵さん。「実際よりも長く感じた」というが、分娩(ぶんべん)室に入って30分間後、3124グラムの第1子誕生の瞬間を迎えた。 宍戸さんは「母子ともに無事に出産を終えられてよかった。これからも初めてのことが続くだろうが、夫婦2人で力を合わせて頑張ってほしい」と喜びをかみしめるように語った。 有美恵さんは同じ病室で陽向ちゃんと過ごす中で、あらためて母親になったことを実感し、責任を感じている。「寝顔もかわいらしくて仕方がない。一つ一つのしぐさが新鮮に感じる」とほほえみ、「東日本大震災で亡くなったたくさんの人たちの分も、元気にたくましく育ってほしい」と話した。 (鶴岡支社・鈴木潤)
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