2011年08月18日
児童全員が楽しい思い出などを自由に表現。作品はDVDに記録され来年夏、宇宙に打ち上げられる=石巻市・荻浜小
東日本大震災で傷ついた子どもたちの心を癒やしたいと、新庄市出身の画家前田優光さん(62)=仙台市在住=らが宮城県石巻市の荻浜小学校を訪問、お絵描きやミニコンサートなどを通して児童と触れ合った。描いた絵はDVDに記録して来年夏、国際宇宙ステーションに打ち上げられる。
荻浜小がある地区は3月11日の大津波で道路が寸断され一時、陸の孤島と化した。校庭に石灰で「SOS」のメッセージを記し、支援を待つ間、住民全員が協力して困難をしのいだ。
前田さんは、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺の歴史を伝える活動を続けているエッセイスト野村路子さんらと計4人で7月22日、荻浜小を訪れた。迎えてくれたのは児童21人。全校児童は13人だが、震災で自宅を流されるなどして転校した8人も駆けつけた。
児童たちはサマーキャンプでカヌーに乗った楽しい思い出や好きな動物などを絵で伸び伸び表現。前田さんは郵政省を途中退職し画家に転身した経緯を振り返りながら「自分は50歳になってようやく絵描きになれた。みんなも夢や希望を捨てないで」と呼び掛けた。
児童の描いた絵は、財団法人日本宇宙フォーラムの震災援助プログラムの一環で、来年夏に宇宙に打ち上げられる。宮城県女川町内の小中学校の子どもが詠んだ俳句と一緒にDVDに記録しロケットに搭載、国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟で2年以上保管される。
「喜んでくれて良かった。来年桜が咲くころにまた行きたい」と前田さん。松浦達夫校長は「子どもたちが夢中になれる時間をつくってもらい、作品が宇宙に打ち上げられるという夢も見せていただき、感謝しています」と話していた。
日本宇宙フォーラムは、被災した子どもと心を重ね合わせてもらおうと、一般の人を対象に宇宙に打ち上げる俳句も募集している。締め切りは来年3月31日。申し込みはhttp://www8.jsforum.or.jp/mobile/haiku/index.php
前田さんは本紙で「やまがたスケッチ旅」を連載している。