2011年09月03日
傷んだランドセルをミニサイズに作り直す斎藤繁身さん。依頼者の思いに応えようと丁寧に作業している=新庄市
東日本大震災の津波で流され、その後見つかったランドセルを、新庄市内のかばん店の店主がミニサイズに作り直し、依頼した被災者から喜ばれている。この店主は「ランドセルに詰まった6年間の思い出を壊さないように心を込めて製作し、送り届けていきたい」としている。
この店主は、沖の町で「かしわや鞄(かばん)店」を営む斎藤繁身さん(73)。依頼主の思い出のランドセルの素材を生かし、3分の1の大きさに加工するミニランドセルを18年前に考案し、製作を続けている。宮城県大崎市の道の駅「あ・ら・伊達な道の駅」内にある手作り民芸店・ふむ風夢(ふむ)=高田幸子代表=に作品を展示し、注文を受けている。
仙台市若林区で被災した50代の女性から6月中旬に注文を受けた。高田代表によると「津波で住宅が流され、唯一見つかったのが赤いランドセル2個。娘2人に、思い出としてミニサイズで残してやりたい」と訪れた。
そのうちの1つは何日間も海水に漬かったため、かなり傷んでいた。斎藤さんは「泥は落とされていたが、ぼろぼろの状態だった。姉妹の思い出を大切にしてやりたいという母親の思いに応えてやりたかった」と一部素材で補修したり、金具やビョウを交換しながら手縫いで作り直しに励んだ。
約1カ月後、見事によみがえり、ミニランドセルを受け取った女性から大変喜ばれたという。この女性から7月にも、震災で海水に漬かった2個の赤いランドセルを預かり現在製作中。高田代表は「斎藤さんに依頼したかいがあった。被災したランドセルがミニサイズの“思い出ランドセル”として再生したことに感動した」と話す。
斎藤さんは「喜ばれてよかった」と胸をなで下ろしていた。ミニランドセルの製作費は1個1万2600円から。かしわや鞄店0233(22)2819。