東日本大震災

避難者が結束し冬乗り切る 米沢の雇用促進住宅で自治会設立進む

2011年12月25日
 東京電力福島第1原発事故の影響で福島県から避難している人たちが入居する米沢市の雇用促進住宅で、自治会の設立が進んでいる。除雪など冬季の課題解決に取り組むのが大きな目的。住民の顔の見える関係づくりを進める意味もあり、自治会役員は「避難者同士のつながり、地域とのつながりを強くしていきたい」と話す。

本格的な降雪が始まった米沢市。避難者が慣れない除雪に励んだ。子どもたちも作業をお手伝い=米沢市、雇用促進住宅万世宿舎
本格的な降雪が始まった米沢市。避難者が慣れない除雪に励んだ。子どもたちも作業をお手伝い=米沢市、雇用促進住宅万世宿舎
 12月半ば以降まとまった降雪があった米沢市。「一度にこんなに降るなんて、福島ではそうそうない」。雇用促進住宅八幡原宿舎の商店経営湯野川政弘さん(57)=福島市=は驚く。駐車場の消雪用の散水装置がうまく作動せず、住民は初めて雪かきに取り組んだ。

 同宿舎では18日、住民集会が開かれ、湯野川さんが自治会長に選任された。集会では市や、以前からの住民を交えて水道管の水抜きや、除雪について意見を交わした。

 「水道は本当に凍結するの」「気持ちが折れそうになる」-。住民からは冬季の生活を心配する声が漏れる。湯野川さんは「福島市はそれなりに降るけれど、浜(通り地方)から来ている人は大変だろう。一緒に暮らす人たちと協力して冬を乗り越えたい」と話す。

 米沢市内には同宿舎に加え万世、牛森、太田町、窪田-の5つの雇用促進住宅があり各80戸、計400世帯が入居できる。市商工観光課によると今月8日現在341世帯、1177人の避難者が入居登録している。

八幡原宿舎で開かれた住民集会。自治会や除雪などについて話し合った
八幡原宿舎で開かれた住民集会。自治会や除雪などについて話し合った
 以前からの住民は少なく、自治会があったのは牛森のみ。雪対策に関心が高まる中、市避難者支援センターを中心に設立を準備し、万世、八幡原の2宿舎で避難者による自治会が発足した。

 当座の課題は除雪。構内や周辺道路は米沢市が業者に委託しているが、出入り口やごみ置き場周辺は自分たちで行う。グループ分けして当番を決めたり、「除雪の妨げになるので宿舎の周りに車を駐車しない」などとルールを話し合っている。

 万世宿舎の自治会長になった元高校教諭の武田徹さん(70)=福島市=は「生活環境を良くするため、自分たちで話し合っていくことが大切だ」と話す。

 同宿舎には約70世帯が登録しているが、自治会に加入したのは約30世帯にとどまる。武田さんは「隣近所の付き合いを深め、自分たちで避難者の現状を把握していきたい」とし、集会所を活用して気軽に話し合える場をつくりたいと考えている。「住民同士でつながれば米沢の地域行事にも参加しやすい。地域の人たちへの恩返しもできると思う」と語った。
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