2012年01月15日
駐機場の拡張を目指す山形空港。東日本大震災発生直後は復旧拠点として防災ヘリと旅客機が頻繁に離着陸した=2011年3月14日
東日本大震災で壊滅的被害を受けた仙台空港に代わり、復旧拠点として山形空港を離着陸する防災ヘリなどの利用が急増したことを教訓に県は2012年度、駐機場拡張を目指し、国に対して補助事業採択に向けた本格的な働き掛けを始める方針を固めた。災害時の利用増を見越した拡張、補助申請は異例。県空港港湾課は「採択に向けたハードルは高いが、今後も同規模の災害が起きる恐れがある。万全の備えを目指す」と話している。
山形空港は震災発生翌日の3月12日から、被災者救援、避難物資搬送の拠点として24時間運用がスタート。旅客機のほか、応援に駆け付けた各県防災ヘリ、自衛隊機、米軍機の利用でフル稼働した。
この際、問題として浮上したのが駐機スペースの確保。山形空港は旅客機が2機分、小型機、ヘリは計10機分が駐機可能だが、3月12~18日の1週間は特に利用が集中した。旅客機や防災ヘリの利用を優先させ、被災状況の視察や物資搬送などを目的に民間企業がチャーターした小型機、ヘリの受け入れを制限。同課によると、1週間で105機(1日平均15機)の利用に応じられなかったという。
震災から半年後に仙台空港は復旧したが、今後も同規模の地震が起きた場合、津波被害に遭う可能性は否定できないことなどを受け、県は緊急的な利用増に備え、駐機場拡張の検討に乗り出した。具体的な拡張エリアと広さは未定だが、場所は現在の駐機スペースの周囲にある草地などが考えられるという。
駐機場を広げる事業は、国の補助を受けるのが一般的だが、多くは定期便(旅客機)の利用増など恒常的な要素が必要となる。県が目指す災害時の緊急的な利用増を見越した補助は異例のため、同課は「国土交通省の担当者と十分、協議する必要がある」と強調。困難な道筋であることをにじませる一方、「受け入れを制限した背景がある以上、責任を持って拡張に向けて取り組んでいきたい」と話している。