東日本大震災

防災力はいま~震災1年の県内自治体(上) 大半が「停電時」に不安

2012年03月10日
 災害時に住民を守る市町村の防災機能は、東日本大震災でそのもろさを露呈した。震災1年を前に、山形新聞社は県内35市町村を対象にアンケートを実施。その結果、ほとんどの市町村が停電時の電源、通信手段の確保に不安を感じている実態が浮かび上がった。大震災を教訓に、防災力をいかに再構築すべきか。避難所の耐震化は、要援護者の支援は、さらにがれき処理は。アンケート結果を基に、3回シリーズで検証する。
(報道部・野村健太郎)

 大震災発生直後から、県内では約31時間にわたり送電が停止。最大で全契約戸数の8割に当たる約52万7000戸が停電した。「防災面で最も不安に感じることは何か」の問い(自由記述方式で複数回答)に対し、30市町村が「停電時の電源、通信手段の確保」を挙げた。次いで「燃料不足」が6市町村。「建物の耐震性」は4市町村で、大江町は「役場本庁舎の倒壊」に不安を感じている。

 一方、「防災力強化の課題は」(同)の問いに対し、約半数の17市町が言及したのが「財源不足」。厳しい財政状況で非常用発電機、防災行政無線の整備が思うように進まないのが実態のようだ。「国、県からの財政支援が必要」(寒河江市)との声が目立った。防災行政無線の県内整備率は2011年3月末時点で34.1%と、国内平均の76.4%を大きく下回り、全国最下位。県は12年度から5年間、導入費を補助し整備率を全国平均まで引き上げる考えだ。

 課題で次に多いのは「防災意識の向上」で12市町村。米沢市は特に危機感が強く「市民は自然災害がないとの思い込みが強い。震災時も停電にならず危機感が薄い」とする。東根市は「行政依存の気風があり、自助、共助意識の高揚が必要」とした。

 住民間の交流が希薄になり、自主防災組織の形骸化を課題と捉える自治体も多い。「平日の日中は地域に高齢者しか残っておらず、迅速な避難が困難になる」(南陽市、大蔵村)との声は、地元外で就労する人口が多い自治体全てに当てはまり、有事の行動計画は平日、休日に分けて備えることの重要性を示唆している。

 被災地にとっては、他県からの救援が大きな助けとなった。上山市、長井市、庄内町などは発生後間もなくから、交流のある宮城県名取市、多賀城市、南三陸町といった被災自治体に食料、生活物資を送った。大規模広域災害でクローズアップされたのが、他県の自治体と締結する災害時相互応援協定だ。

 県内では20市町が県外自治体と災害時相互応援協定を締結。山形市は最多の47市で、さらに民間企業との締結を目指す。尾花沢市、最上町は震災後に締結先を追加。酒田市、新庄市、白鷹町は近く追加を予定している。鶴岡市など15市町村は、いずれも検討はしているというが現時点では締結先がない。

【災害時相互応援協定の締結状況】
市町村   締結先
山形市  青森市など47市
米沢市  新潟県上越市など30区市町、4広域圏
鶴岡市  なし
酒田市  東京都北区など4区市
新庄市  茨城県高萩市など6市町村
寒河江市 神奈川県寒川町
上山市  宮城県七ケ宿町
村山市  東京都豊島区など4区市町
長井市  茨城県結城市など44市町村
天童市  北海道網走市など4市
東根市  東京都中央区など3区市町
尾花沢市 宮城県岩沼市など2市
南陽市  なし
山辺町  茨城県日立市
中山町  なし
河北町  なし
西川町  なし
朝日町  なし
大江町  なし
大石田町 なし
金山町  なし
最上町  東京都板橋区など13区市
舟形町  なし
真室川町 茨城県古河市
大蔵村  なし
鮭川村  なし
戸沢村  なし
高畠町  東京都墨田区など2区市、3広域圏
川西町  東京都町田市など4市町、4広域圏
小国町  なし
白鷹町  東京都三鷹市
飯豊町  千葉県南房総市
三川町  なし
庄内町  宮城県南三陸町
遊佐町  東京都豊島区など3区市
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