2012年03月11日
東日本大震災で米沢市、上山市、尾花沢市、中山町が県内では最大の震度5強を記録した。大きな建物被害はなかったが、建造物の耐震化は十分なのか。県内35市町村へのアンケートの結果、各市町村の指定避難所計1246カ所のうち、耐震化が済んでいるのは823カ所で、耐震化率は66.1%にとどまることが分かった。
指定避難所の市町村別耐震化率で100%に達しているのは、長井(避難所数8)河北(同17)鮭川(同49)川西(同12)の4市町村。各市町村とも独自の耐震化計画に基づいて整備を進めているが、耐震化は喫緊の課題となっており、米沢市は「計画では2015年度に耐震化率90%(現在65.6%)を目標にしてきたが、完了を1年でも早めたい」と前倒しの構えを示す。
財政難で計画的な取り組みが困難な自治体が目立つ一方、耐震化が済んでいない施設について、「収容数が最大の施設から取り組む」(真室川町)、「孤立化が予想される地区から」(大蔵村)、「教育施設を優先」(酒田市)といった策を講じている。
県は2012年度当初予算案に「災害に強い地域づくり市町村総合支援事業費」として2億9000万円を計上。各市町村に対し、自主防災組織の強化に取り組むことを必須条件に、助成メニューから避難所の耐震診断、耐震工事が選べる制度を創設する。助成は14年度まで3年間の継続を想定。県危機管理課は「地域防災力の底上げを強力に支援する」と話す。
災害時の避難で支援が必要な高齢者、障害者ら災害時要援護者について、「支援体制は整っているか」との問いに対しては、26市町村が「はい」と回答。「いいえ」としたのは山形、上山、大石田、大蔵、高畠、遊佐の6市町村。酒田、村山、真室川の3市町は準備中で「どちらとも言えない」だった。
「いいえ」とした市町村はいずれも支援計画を策定中か検討中で、高畠町は「12年度から登録台帳を基に支援を行う」とする。一方、山形市は支援対象となる75歳以上の高齢者、障害者が計約1万4000人に上ると推定し、このうち登録が済んでいるのは1割程度にとどまる。「どちらとも言えない」と回答した村山市は「登録は(対象者による)手上げ方式で、全体の一部しか把握できない」とし、都市部ほど要援護者の登録が困難な状況がうかがえる。
「はい」と回答した市町村のうち、庄内町は要援護者をサポートする支援者を指定し、要援護者対応の避難所も設けている。ただ、「支援を担う人を決めても、有事にその人が仕事で対応できない問題が残る」(米沢市)との指摘もあった。地域の自主防災組織、自治会、民生委員と連携し、サポート体制の厚みを増すことが求められる。要援護者に含まれる妊婦は個人情報の問題があり登録が進んでいない。
(報道部・野村健太郎)