東日本大震災

防災力はいま~震災1年の県内自治体(下) 13市町村「がれき受け入れ困難」

2012年03月12日
 環境省による2月20日現在の集計で、東日本大震災に伴う岩手、宮城、福島3県で発生した災害廃棄物(がれき)は、約2252万トンに上り、処理が済んだ量は約117万トン(5.2%)にとどまっている。なかなか処理が進まず、復興の妨げとなっている。

 山形県は全国に先駆けて独自の処理基準を設定し、7市町の10民間業者が1月末までに約5万トンを受け入れた。しかし、アンケートの結果、13市町村が「受け入れは難しい」と回答した。さらに、独自の処理場を持たず広域処理していることを背景に13市町が「その他」を選択し、構成自治体の合意形成が進んでないことがうかがえた。

 「がれきの受け入れについて」の問い(5項目から選択)に対する回答は、「受け入れは難しい」が13市町村、「既に受け入れている(民間業者を含む)」が6市町、「受け入れを検討している」が2市町、「受け入れる用意がある」が1村、「その他」が13市町村だった。

 「受け入れが難しい」とした理由は、「独自の処理施設がない」が7市町村、「処理能力の不足」が3市町、「安全性の不安」が2市町、「市民の合意が必要」が1市だった。「その他」の理由は、ほとんどが「広域行政事務組合でごみを処理しているため、構成自治体での協議を踏まえ判断する」だった。

 山形市は被災地の政府米を市内の民間業者が処理した経緯があるが、回答では「その他」を選択し、「条件が合えば民間の処理は検討する」とした。「既に受け入れている」とした中山町は政府米を民間業者が処理したが、「発生当初の対応だった。新たな受け入れは難しい」との姿勢を示した。

 県内のがれきの処理は民間業者による受け入れのみで、その業者が所在する山形、米沢、村山、中山、最上、川西、白鷹の7市町が認可している。市町村や事務組合管理の施設は受け入れていない。

 宮城県の場合、建設業者などのJV(共同企業体)が最終処分場の確保を含めた処理方法を提案するプロポーザル方式の入札で処理を進めているという。同県震災廃棄物対策課は「民間ベースの取引のため、自治体管理の施設に依頼がないのだろう」と推測する。

 今後の進め方について同課は「まずは宮城県内でできる限りの努力をする必要がある。その上で、手が回らない分を他県にお願いしたい」と話す。山形県内の市町村を対象に説明会を開きたいとの意向はあるが、「全国的に受け入れの反対運動があるので、慎重にならざるを得ない」と心中を明かす。宮城県内のがれき総量約1500万トンのうち、343万トンは県外での処理に頼らざるを得ないという。

 山形県循環型社会推進課は「宮城県から正式な処理要請はまだない。要請を受けた段階で、市町村にあらためて協力を願う」としている。
(報道部・野村健太郎)
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