東日本大震災

手携え共に明日へ 県内各地で追悼・復興祈念行事

2012年03月12日
 東日本大震災の発生から1年を迎えた11日、山形、米沢両市のほか、鶴岡、酒田、天童の各市でも追悼・復興祈念行事が行われた。「前を向いて生きていく」「手を取り合って頑張ろう」。古里を離れて本県に身を寄せる人たちは悲しみを乗り越えて、そして県民は支えとなり、共に力強く前進していくことを誓った。

【山形市】南相馬の中学生が決意「私たちが引っ張る」
 ○…市の避難所に一時身を寄せ、帰宅後に同市へ感謝の手紙を寄せた福島県南相馬市の鹿島中3年舘野涼さん(15)が市役所で行われた追悼・復興祈願式に出席した。手紙に「生き残った私たちがこれからを引っ張っていくという強い気持ちで今は生活している」とつづった舘野さん。津波で友人を失った悲しみは少しずつ薄らいでいるというが「今でも思い出すと涙が出る」。それでも「私たちが引っ張っていくという強い気持ちは変わらない。1年たち、思いはより強くなった」と前を向いた。

メッセージ交換、「笑顔に」「感謝」
 ○…山形市役所には市民と被災・避難者がメッセージを交換し合う2枚のボードが設置された。「温かく受け入れてくれた事に感謝」「一緒に乗り越えようね」。被災・避難者から山形市民へ、山形市民から被災・避難者へ。ボードにはさまざまな筆跡の文字がびっしり。「早く笑顔になれますように」と記した飯野由美子さん(45)=山形市北町4丁目、会社員=は「つらくても笑顔を大切にして」。幼い子を連れて福島県南相馬市から避難中の田中晴美さん(37)は「まだ前向きにはなれないが、温かい支援には本当に感謝している」と話し、「山形の皆さんありがとうございます」との言葉を寄せた。

願い込め千年和鐘
 ○…追悼・復興祈願式では大勢の市民らが復興への願いを込め千年和鐘を打ち鳴らした。細谷仲造さん(73)=山形市志戸田、農業=は「被災者は今でも言い表せない苦労をしていると思う。鐘の音が天まで届いてほしい」と祈るように話した。

【米沢市】避難者が思い「前向いて」
 ○…伝国の杜置賜文化ホールが会場の祈念式典では、避難者でつくる合唱サークルが市民と共演。メンバーの西田いずみさん(37)=福島市、主婦=は「皆さんの優しい気持ちを頂いた。前を向いて進んでいきたい」と話した。

 避難者代表あいさつをした上野舞さん(38)=福島県南相馬市、主婦=は1年前の光景を思い出し、涙をぬぐった。「夢や希望、大切なもの、あの日すべてが止まった。それでも手を取り合い、強く生きていく。子どもたちの未来が明るく輝くよう、悲しい出来事が繰り返されぬよう祈る」。同じく登壇した万世小3年遠藤美咲さん(9)=同=は「帰りたい。でもこれからは新しいこと、楽しいことを考えていく」と思いを伝えた。

会場周辺で支援の様子を写真で紹介
 ○…会場周辺では避難者支援の様子を伝える写真展示をはじめ多彩な交流イベントが開催された。発生翌日から被災地に物資を届けるなどボランティア活動を展開してきた生活クラブやまがた事務局長の佐藤寿臣さん(33)=米沢市城西3丁目=は「当初は本当の意味では被災者の思いを理解できていなかった。対話を重ね壁が取れてきた。継続して支援する」と自ら撮った写真を眺めながら語った。

 オリジナル菓子の売り上げを義援金に充てようと出店した米沢商業高2年の鈴木美紀さん(17)=同市塩井町塩野=は「少しでも復興に協力したい。勉強したくてもできない同世代の人がいると思うと、もっと頑張らないといけないと感じる」と話した。

【鶴岡市】避難者と市民交流「住みよいまちに」
 ○…市社会福祉協議会主催の東日本大震災追悼と交流の集いが、「ゆうあいプラザかたぐるま」で開かれた。約100人が参加。黙とうの後、仙台市から避難している臨時職員木村有希さん(31)らが「震災をいつまでも忘れず、手を取り合って頑張ろう」などとメッセージを発表。被災地でボランティア活動している三井雅子さん(36)=鶴岡市城南町、会社員=は涙ぐみながら「避難先が鶴岡で良かった思われるような、住みよいまちにしたい」と語った。

【天童市】「悲しみ変わらず」
 ○…市追悼式が市役所で行われた。避難者約30人を含む約100人が参加。発生時刻の午後2時46分に黙とうをささげた。避難中の佐藤剛広さん(35)=福島県南相馬市、会社員=は「悲しみは1年前と変わらない。早く以前と同じ生活に戻りたい」。金田理恵子さん(34)=同県大玉村、主婦=は「避難して行政や市民の親切に触れたが、いち早い復興へ国がリーダーシップを発揮してほしい」と語った。

【酒田市】寒ダラ汁味わって「生活をここから」
 ○…市の追悼と交流の集いが市総合文化センターで開かれた。涙で冥福を祈った避難者も市民との交流では笑顔を見せ、寒ダラ汁を味わった。2歳の娘と福島県郡山市から避難してきた主婦大山綾さん(30)は「夫は仕事で福島。なぜ家族が離れて暮らさなければならないのかと思うが、温かく迎えてもらい感謝している。仕事を探し、生活をここから始めていこうと思っている」。同県南相馬市から家族4人で身を寄せる会社員石橋正記さん(34)は「除染が進まず、帰りたくても帰れない。酒田で頑張り、子どもたちをしっかり育てたい」と話した。

 ボランティアで宮城県を3度訪れた阿部享さん(54)=酒田市砂越、公務員=は「今後は避難している人たちのために何ができるかを考え、活動したい」と力を込めた。

【県内各地】キャンドルナイトやビートルズ曲演奏も
 県内では11日、被災地復興の願いを込めた追悼行事やイベントが他にも催された。

 鶴岡市の出羽三山神社では災害復興祈願祭と犠牲者慰霊祭を行った。祈願祭には同神社の氏子や市民、被災者ら約40人が出席。復興を願う祝詞が読み上げられ、巫女(みこ)が舞を披露。参列者は玉串をささげたり手を合わせるなどした。同市丸岡、神職佐藤憲さん(55)は「避難されている人の多くが地元に帰りたいと思っている。早くそうなるよう復興してほしい」。

 南陽市赤湯の「ゆーなびからころ館」では「キャンドルナイト」を夜に開催。88個のろうそくとLED電球を入り口や廊下、いろりの周りに飾り付け、明かりをともした。来場者はオレンジ色の温かな光を静かに眺め、亡くなった人々や、震災発生からの日々に思いをはせていた。

 ビートルズの楽曲を通じ、被災地から元気を発信しようと「ビートルズのチカラ!」が、山形市香澄町1丁目のルイジアナ・ハリケーンで開かれた。仙台市の3バンドが出演し「レット・イット・ビー」などを披露し、盛り上がった。被災地の現状も訴えた。実行委員会(松浦Genkyヒロフミ主宰)が主催。東北復興ツアーライブと銘打ち、8カ所目。会場で義援金を募った。

追悼と復興へ、手を合わせる人の姿も見られた=山形市役所
追悼と復興へ、手を合わせる人の姿も見られた=山形市役所


復興を願い、地元合唱団と避難者の合唱団「HAPPY愛LANDS」(中央)が声高らかに歌った=米沢市・伝国の杜置賜文化ホール
復興を願い、地元合唱団と避難者の合唱団「HAPPY愛LANDS」(中央)が声高らかに歌った=米沢市・伝国の杜置賜文化ホール


手を握り合い黙とうする避難者たち=米沢市・伝国の杜置賜文化ホール
手を握り合い黙とうする避難者たち=米沢市・伝国の杜置賜文化ホール


交流の集いで会話を楽しむ参加者たち=鶴岡市「ゆうあいプラザかたぐるま」
交流の集いで会話を楽しむ参加者たち=鶴岡市「ゆうあいプラザかたぐるま」
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山形新聞からお知らせ

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     第23回参院選は7月4日公示、同21日投開票で行われることが固まりました。県選挙区に立候補を予定している陣営は選挙戦に既に走りだしています。山形新聞、山形放送は、投票総参加と明るく正しい選挙を呼び掛ける標語を募集します。
     ▽応募資格=県内在住者
     ▽作品=はがき1枚に1作品を記載。1人何枚でも可。住所、氏名、年齢、職業(学校名)、電話番号を明記
     ▽締め切り=6月24日(月)必着
     ▽発表=6月28日(金)の山形新聞紙上、山形放送のニュース
     ▽表彰=特選1点(賞金5万円と副賞)、入選若干(賞金2万円と副賞)
     ▽表彰式=7月1日(月)午後3時、山形メディアタワー
     ▽送り先=〒990―8550 山形市旅篭町2の5の12 山形メディアタワー 山形新聞、山形放送選挙標語係
  2. 【県縦断駅伝の写真提供します】
     山形新聞社は、第58回県縦断駅伝競走大会で、本社カメラマンと記者が撮影したレース写真をホームページ(HP)「やまがたニュースオンライン」に掲載し、有料で提供します。写真サイズは、キャビネ判から四つ切りまで4種類で価格は表の通り。山新ヨモーニャくらぶ会員は20%引きです。アドレスhttp://yamagata-np.jp/p-shop/
  3. 【やまがたの野鳥を聞く】
     インターネットと紙面が連動し、野鳥の鳴き声を文字と音で紹介する企画「やまがたの野鳥を聞く」。本紙の記事を読んで、ホームページにアクセスすると、県内に生息する鳥たちのさまざまな鳴き声を耳にすることができます。ログインはこちら。また、携帯・スマートフォンの有料ページにも同様のコンテンツがあります。携帯・スマートフォンサイトへのアクセス方法は、こちら
  4. 【山新おしどり金婚さん顕彰】
     山形新聞、山形放送はことしも「山新おしどり金婚さん」の顕彰事業を行います。結婚して50年になるご夫婦の人生を祝福し、お二人の名前を刻んだ盾(レリーフ)を贈ります。4月1日から申し込みを受け付けます。
    【対象】1963(昭和38)年に結婚されたご夫婦としますが、結婚50年を経過し、これまで顕彰を受けていないご夫婦も申し込みできます。
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    【受付期間】4月1日(月)から5月31日(金)まで。
    【顕彰】8月中旬の山形新聞紙面で紹介し、盾を市町村の敬老会や福祉のつどいなどの席上で贈呈するか、もしくは、販売店からのお届けとします。
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    【問い合わせ】山形新聞社・おしどり金婚さん顕彰事務局023(622)5271。
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