東日本大震災

被災者癒やすメロディー奏でる ケーナ演奏八木さん「少しでも潤い」

2012年04月30日
被災者と対話しながら、楽しいコンサートを繰り広げている八木倫明さん(左)と藤枝貴子さん=宮城県東松島市
被災者と対話しながら、楽しいコンサートを繰り広げている八木倫明さん(左)と藤枝貴子さん=宮城県東松島市
 長井市出身のケーナ奏者八木倫明さん(54)=東京都新宿区=が東日本大震災の被災地で地道に演奏活動を続けている。昨年5月に被災地入りして以降、これまでに4回のボランティアツアーに参加。今年5月16~18日には原発事故に苦しむ福島県南相馬市でも癒やしのメロディーを奏でる。「仮設住宅が必要でなくなる日まで息長く支援したい」。八木さんが吹く南米アンデスの竹笛は、被災者の心を温かく包み込んでいる。

 八木さんは早稲田大を卒業後、オーケストラ勤務を経てケーナを独学。尺八、マリンバなど異文化融合の音楽に取り組んでいる。

 4月24~26日にはアルパ(パラグアイのハープ)奏者・藤枝貴子さん(36)=埼玉県川越市=と共に宮城県東松島市や岩手県大槌町を訪問した。音楽を通して被災地を支援している「愛とヒューマンのコンサート委員会」(今野強代表)の一員としての活動。

 東松島市の仮設住宅で開かれた演奏会では「埴生(はにゅう)の宿」「さくらさくら」「青い山脈」「コンドルは飛んで行く」など多彩なジャンルの曲を1時間にわたって披露した。スコットランド民謡「広い河の岸辺」(八木さん訳詞)では、復興への願いを込めて「漕(こ)ぎ出そう ふたりで」「漕ぎ出そう みんなで」と参加者全員で合唱した。

 仮設住宅に住む伊沢圭子さん(67)は「すごく楽しいひとときだった。心が豊かになれました」と満面の笑み。八木さんは「昨年の石巻市のコンサートでは『生きててよかった』と涙ながらに喜んでくれた人もいた。生死の境を体験した人々に、少しでも潤いを与えることができれば」と話していた。

 愛とヒューマンのコンサート委員会は、オウム真理教によって殺害された坂本堤弁護士の友人が結成。「坂本さんが生きていたらきっと同じような行動をしたはずという思いで」(今野代表)、さまざまなアーティストを被災地に派遣し、復興支援コンサートを重ねている。
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