東日本大震災

沿岸部被災者の手編みニット帽販売 最上町の団体が橋渡し

2012年05月13日
完成したニット帽の品質を確認するおたがいさまプロジェクトの小野貴之代表(右)とメンバーの柴田昌和さん
完成したニット帽の品質を確認するおたがいさまプロジェクトの小野貴之代表(右)とメンバーの柴田昌和さん
 東日本大震災で家や職を失った人の経済的自立を支援しようと、最上町のボランティア団体「おたがいさまプロジェクト」(小野貴之代表)が、職を求める太平洋側沿岸部の被災者と企業との橋渡しを行っている。注目したのは漁師町ならではの編みの技術。アウトドア用の衣類などを製造、販売する企業と提携し、若者向けのニット帽を製作、「FISHERMAN(フィッシャーマン)」の商品名で販売している。

 同プロジェクトのメンバーは最上町に住む30代の若者7人。震災直後、被災地支援を目的に結成し、津波で甚大な被害に遭った南三陸町を中心に、生活物資の搬送や炊きだしを行ってきた。夏までは食料や衣類など最も基本的な物資が求められた。しかし、仮設住宅が整備され、徐々に避難所が閉鎖される段階になると、「自立した生活を後押しするための支援が求められている」と感じた。必要なのは「仕事と仮設住宅団地内でのコミュニケーションツール」だった。

 南三陸町は漁師町。津波で船が流され、仕事を失った人が多かった。メンバーの柴田昌和さんは考えた。「漁業に携わっていたのなら、網の手入れ、修理で編み物に慣れている。何とか次の仕事に生かせないか」。柴田さんの友人が代表を務め、同プロジェクトの活動に対して資金援助していた栃木県那須町の「LADE Clothing Ltd.(レイドクロージング)」に相談したところ、意欲ある人と商品納入の契約を結びたいとの返事をもらった。

 炊きだしなどで知り合った南三陸の女性に声を掛けた。最初に契約したのは3人だったが、「数人でも生活の足しになる収入を維持してもらいたい。軌道に乗れば、順次、拡大すればいい」と考えた。

 商品はすべて手編み。品質が一定になるまで2カ月を要した。4月には長野県の菅平高原で開かれたスノーボードイベントで初出品。反応は「上々だった」。小野代表は「復興は20年、30年かかると思う。製品が支持され、長く使ってもらえればうれしい」と話している。

 帽子は1個4200円。レイドクロージングのホームページなどで販売している。アドレスはhttp://ladestore.com/

 問い合わせはおたがいさまプロジェクトで、メールアドレスはinfo@otagaisama.jpとなっている。
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